■講師　野末剛 先生（横浜栄共済病院循環器内科　副部長）
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【セミナー概要】
これまでの多数の介入試験のメタ解析結果から、スタチンによる脂質低下療法は、LDLコレステロールを低下させ、心血管イベントならびに死亡率を低下させることが示されてきた。一方、LDLコレステロールを標的とした治療だけでは心血管イベントの7-8割を予防できないことも事実である。この残余リスクを規定するものとして、近年多価不飽和脂肪酸、特にn-3系とn-6系の多価不飽和脂肪酸の比が注目されている。日本で行われたJELIS試験では、スタチン治療にEPA1800mgを追加投与することにより主要冠動脈イベント発生率が19%低下することが示された。EPA、DHAならびにn-3系とn-6系の多価不飽和脂肪酸の比が冠動脈硬化にどのように影響するか、その臨床的意義について分かりやすく解説したい。
皆様、奮ってご参加下さい。10:00-12:00
1.多価不飽和脂肪酸の総論
2.多価不飽和脂肪酸と心血管イベント
3.多価不飽和脂肪酸と頚動脈硬化
4.多価不飽和脂肪酸と冠動脈硬化
5.スタチン治療の多価不飽和脂肪酸にあたえる影響

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■4月28日(日)午前に開催されました第209回医療技術セミナー「EPAおよびDHAの臨床的意義」は盛会裏に終了しました。なお、この医療技術セミナーは、医療技術セミナー”スキルアップ”が設立されて4周年、開催200回記念の謝恩企画として開催させていただきました。これまでの皆様方のご支援に心より感謝申し上げます。
講師には、横浜栄共済病院循環器内科副部長野末剛先生をお招きしました。広報用のチラシでは分からないですが、とっても背の高い先生でした。
講義は、多価不飽和脂肪酸（PUFA）の総論、PUFAと心血管イベント、PUFAと頸動脈硬化、PUFAと冠動脈硬化、スタチン治療のPUFAにあたえる影響、で行われました。
講義は概ね、事前の広報通り「スタチンによる脂質低下療法は、LDLコレステロールを低下させ、心血管イベントならびに死亡率を低下させることが示されてきた。一方、LDLコレステロールを標的とした治療だけでは心血管イベントの7-8割を予防できないことも事実である。この残余リスクを規定するものとして、近年多価不飽和脂肪酸、特にn-3系とn-6系の多価不飽和脂肪酸の比が注目されている。日本で行われたJELIS試験では、スタチン治療にEPA1800mgを追加投与することにより主要冠動脈イベント発生率が19%低下することが示された。EPA、DHAならびにn-3系とn-6系の多価不飽和脂肪酸の比が冠動脈硬化にどのように影響するか、その臨床的意義について」詳細な解説が行われました。
主宰者は、7、8年前までの前々職では、脂質栄養学会の出版活動に携わっていたことがあり、ＰＵＦＡだ、ｎ−６だｎ−３系脂質だ、ＤＨＡやＥＰＡだ、ｎ−３系脂質摂取の比率を効率よく上げるには魚食、特に青背の魚だ、エゴマ油だ・・・・という世界のことを垣間見たことがありますが、大変懐かしく思いました。今回は特に、脂質異常症の治療にはスタチンがよく効くけれども、スタチンだけでは約２０％まで。残りの残余リスクの解決・治療は、結局ＥＰＡとＤＨＡが有効である・・・ということでしょうか講義では、他に、薬物療法について質問がたくさん出て、丁寧にお答えいただきました。
なお、ここ１、２年前から行われております動脈硬化学会と脂質栄養学会との大論争についても言及があるかな・・・と思っておりましたが、どうもそれは無かったようです。
また、企画してみますね。
なお、今回は初めて、ネット受講のスポットの方が３名になり、評判の高さが感じられました。ありがとうございました。
 

■講師　野末剛 先生（横浜栄共済病院循環器内科　副部長）
【専門分野】
内科、循環器、インターベンション治療、動脈硬化、脂質代謝、他
 
＜略歴＞
96年3月金沢大学医学部卒業
4月金沢大学医学部第２内科入局
97年横浜栄共済病院循環器内科
98年金沢大学医学部第2内科関連病院
02年金沢大学大学院医学系研究科博士課程卒業
04年横浜栄共済病院循環器内科
07年横浜栄共済病院循環器内科医長
12年横浜栄共済病院循環器内科副部長
 
<活動>
日本内科学会、認定内科医、指導医/日本循環器学会、認定循環器専門医/日本心血管インターベンション治療学会、認定医/日本動脈硬化学会、専門医、評議員