ＡＫＡ-博田法による手技療法の理論と実際

■講師　片田重彦 先生（小田原市・かただ整形外科　院長）
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【セミナー概要】
腰痛の８０％以上は原因のわからない非特異的腰痛といわれている。とくにプライマリケアに訪れる患者の95％以上はこの非特異的腰痛である。従来、非特異的腰痛の治療には薬物療法、コルセット、運動療法が推奨されてきたが、こうした治療に対する患者からの評価は低かった。ＡＫＡ-博田法はこの非特異的治療に非常に有効な手技療法で、仙腸関節の機能異常を関節の遊びを利用して触診的な方法で治療する。治療後即時に疼痛の軽減が自覚できるので患者からの評価が非常に高い。ＡＫＡ-博田法による腰痛治療の理論、エビデンス、技術について紹介する。
皆様、奮ってご参加下さい。
 
（午後の石橋俊郎先生のセミナーにもご参加になる方には割引で、合計38、000円になります。）ＡＫＡ博田法は関節運動学と関節神経学に基礎をおいて博田が独自に開発した技法により腰痛を治療する。目的とする部位は仙腸関節で、この関節の副運動を起こさせる手技である。副運動とは関節の遊びのことで副運動が機能異常により障害されると基本的な運動自体が障害され、疼痛やしびれを生じる。副運動を与えると疼痛が消失する。腰痛の治療に先立って、腰痛の評価を行う。仙腸関節の可動性を評価する。次いで、」仙腸関節に副運動を与える手技を行う。最後に評価を行い可動性が改善していることを確認する。これら一連のＡＫＡ博田法による治療法を紹介し、最後にモデルを相手に実際の実技を供覧する。

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■6月30日(日)に開催しました第198回医療技術セミナー「プライマリケアで行う腰痛下肢痛の保存的治療法−ＡＫＡ-博田法による手技療法の理論と実際」は盛会裏に終了しました。
講師には、小田原市で整形外科を開業され、AKA-博田法を実践されている片田重彦先生にお願いしました。全国から通常の腰痛治療に飽き足りない、あるいは手術から逃げてこられる患者さんが押しかえてこられているとのこと。片田先生のAKA-博田法のセミナーについては、メディカル・コア時代からも数回開催しておりますが、スキルアップでは初めての企画でした。午後にはマッケンジー法でのセミナーを企画しておりましたが、こちらは同時開催というタイミングの調整がうまくいかずに、開催できませんでした。
講義は、?仙腸関節機能障害について、?仙腸関節機能障害の診断法、?AKA−博田法による腰痛治療のエビデンス、?上部離開法、?下部離開法、?すべり法、?仙腸関節機能障害の分類、?症例、?実技練習、の組立で、進められました。
片田先生は、腰痛人口は3000万人とも言われているが、「腰痛は原因が分かっていないから治療法が無い。腰痛を治せる医療機関が少ない。ＡＫＡ―博田法とは、ＡＫＡは『関節運動学的アプローチ』であり、博田法の下となったのは、大阪の整形外科医である博田節夫医師が、長年の研究の末、独自に開発し、治療理論と手技を確立したもので……、と静かに始められました。腰痛の原因となる関節は、骨盤の内側にある仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節のズレが生じ、そこに遊びがなくなり、機能異常を起こし、そのズレを修復することによって腰痛を治すことが出来る。通常の診療は10から15分で、痛んだ腰に触れて、その指先の感覚で患部を素早く確認し、次に骨を軽く押したり引いたりして関節のズレを矯正し治す”手技療法”である、とのこと。そのズレの修正が1から数ミリなのだという。ほとんどの腰痛の原因がこれであり、これまで椎間板ヘルニアだとか狭窄症と当てずっ法に言われてきた腰痛の大部分が治り、手術が必要な本当の椎間板ヘルニアと狭窄症が残るであろう、とのこと。このＡＫＡ-博田法の治療法では俗にいう”ぎっくり腰”も10分、15分で治せるという。ジェジェジェ！です。
最後に、受講者は実技指導を受け、モデルさんを相手に、各自患者さんへの立ち方、手の当て方、運動可能度・障害度の確認テスト（ＳＲＬ）、治療の仕方等について、シッカリと勉強していただきました。
おまけに、頸が痛いという受講者も居られ、片田先生の治療を受けて変えられました。すごい！
ところで、ネット受講者からの質問が積み残しとなり、別途、ネットに掲載することといたします。ご了承ください。

■講師　片田重彦 先生（小田原市・かただ整形外科　院長）
略暦：
1972年慶應義塾大学医学部卒。1981年藤田保健衛生大学講師。1982年チューリッヒ大学留学。1986年国立小児病院医長。1993年かただ整形外科を開設し院長。
 
著書：
整形外科プライマリケアハンドブック（南江堂）。整形外科手術後療法ハンドブック（南江堂）。図解エンダー法（南江堂）、など