一般医学系

高齢者の診かた(2)−心身医療、循環器、呼吸器、運動機能(2回シリーズ)

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2.心身医療、呼吸器科

■講師 秋下雅弘 先生(東京大学医学系研究科加齢医学/老年病科 准教授)
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■講師 山口泰弘 先生(東京大学医学系研究科加齢医学/老年病科 講師)
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【セミナー概要】
高齢者医療は内科診療の延長では上手くいかない。高齢者を診るには、合併症や高齢者特有の症状(老年症候群)、生活機能、生活環境などその人の健康に関わるすべてを把握した上で、重要な問題は何かを見極め、それに基づいて医療やケアの優先順位付けをして提供することである。しかしながら、医療制度や患者側の専門医指向、医療への盲信なども障壁となって、そのような医療実践はまだまだ不十分である。
本医療セミナーでは、高齢者医療でも重要な4つの分野を取り上げ、各分野の専門医でもある老年科医が講義を行う。普段診なれた疾患を通して老年医学の考え方を身に付ける良い機会となろう。
 
このセミナーは当初、4月7日開催の予定でしたが、都合により
4月14日に変更させていただきました。『高齢者の診かたー心身医療、循環器、呼吸器、運動機能』
全体の企画・分担
 
4/14(日)
午前;認知症と不眠(秋下雅弘)
1.認知症の危険因子となる生活習慣(病)は何ですか
2.抗認知症薬の使い分けはどのようにしますか
3.認知症患者の生活習慣病管理で気を付ける点は
4.高齢者の不眠に対してどのような生活指導を行いますか
5.高齢者に対する適切な睡眠薬の使い方は心身医療
 
午後;呼吸器:肺炎、COPDなど(山口泰弘)
1.高齢者の肺炎の特徴は何でしょうか。
2.嚥下機能の低下した高齢者には、どのような指導をするとよいでしょうか。
3.高齢者の肺炎を予防するには、どのような方法があるでしょうか。
4.日常診療で、COPD患者の何を評価すればよいのでしょうか。
5.COPDには、どのような治療があるのでしょうか。
6.COPDは、なぜ全身疾患といわれるようになったのでしょうか。
 
(ご参考)
3/24
午前;循環器:高血圧、心不全など(江頭正人)
1.高齢者の動脈硬化性疾患の特徴は
2.高齢者の動脈硬化危険因子の考え方は
3.高齢者における脂質異常症治療薬の使い方とは
4.高齢者の高血圧の特徴は
5.高齢者における降圧薬の使い方とは
6.高齢者における安全で有効な抗血栓薬の使い方とは
 
午後;高齢者の転倒・骨粗鬆症とその対策(小川純人)
1.高齢者の転倒要因や背景は
2.骨粗鬆症の診断基準や診断方法は
3.骨粗鬆症の治療法や治療薬は
 

セミナー要綱

セミナーNO. 197
開催日 2013年4月14日 10:00〜15:00
講師 ■秋下雅弘 先生(東京大学医学系研究科加齢医学/老年病科 准教授)
■山口泰弘 先生(東京大学医学系研究科加齢医学/老年病科 講師)
診療科目 一般医学系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■4月14日(日)に開催しました第197回医療技術セミナー「高齢者の診かた2心身医療(認知症と不眠)と呼吸器(肺炎とCOPD)」は盛会裏に終了しました。
この企画は、去る3月24日(日)に開催しました「高齢者の診かた1−循環器と運動機能」に続く企画で、心身医療(認知症と不眠)と呼吸器疾患(肺炎とCOPD)が取り上げられました。講師は、午前が、この企画のプランナーであります東京大学大学院医学系研究科加齢医学/附属病院老齢医学准教授秋下雅弘先生、午後が同科講師の山口泰弘先生でした。東京大学医学部と申しますと日本の医療政策の立案や政策運営に深く関わられる事例や機会が多いと思いますが、とりわけ人口の高齢化を迎えた現代の医療政策や方向を知る上でも貴重な機会になったかと思います。
秋下先生は、セミナーの冒頭で、プランナーとして社会の現状を「都市部の高齢化と後期高齢者の著増」とされ、「高齢者医療」の課題と進むべき方向について、?認知症の増大(アルツハイマー病と血管障害性の疾患)と、?転倒・骨折に関する疾患(骨粗鬆症、LocomotivesyndromeとSarcopenia)の増大に、Frail(虚弱化)が見られることを指摘されました。特に「高齢者の虚弱化」は、自立から要介護へと至る様々な過程に現れ、身体的、精神的、社会経済的要素から成っている。特に社会要因としては、高齢者のの独居(孤独)が増え、貧困や格差が広まっている現状で深刻だ・・・という訳です。(その通りです!)
前項の指摘から「認知症と不眠」の講義に進まれ、東大の「老年病科」の外来患者さんでは、標榜科名の印象からか、その6、7割は認知症関連で、そのための診療体制を取っていることから入られました。また、ご自分の基本的立場は、神経内科の医師ではなくて、老人病の色々をあつかう内科医の立場での講義であることを強調され、認知症の病型、診断のフローチャートと合併症(高血圧、脂質異常症、糖尿病、心疾患、脳血管障害)の確認、各々の疾患の治療と薬物療法を、そして不眠の項では、不眠のパターンと評価・原因、睡眠の質の評価、診断基準、睡眠薬等の薬物療法、等について詳細な講義をしていただきました。
午後の山口先生による「肺炎とCOPD」の講義は、誤嚥性肺炎と嚥下機能の検査と評価、予防、薬物療法、呼吸不全とCOPDの検査と病期分類と評価、管理治療、COPDと気管支喘息、心不全との合併症の治療、呼吸リハビリテーション、在宅酸素療法、COPD治療法考え方等に及びました。
質問も、会場受講者が多かったこともありたくさん出ました。
年齢を重ねると、眼が悪くなる、耳が悪くなる、足が弱くなる・・・ことから始まり、そして生活習慣病の数々、老人病の診療の大変さの一端を垣間見た気がいたしました。自分自身も、その入り口まで来ている、いやすでに足を踏み入れているというのに。クスン。

■講師 秋下雅弘 先生(東京大学医学系研究科加齢医学/老年病科 准教授)
<略歴>
85年東京大学医学部卒業
94年東京大学医学部老年病学教室助手
96年〜98年ハーバード大学ブリガム・アンド・ウイメンズ病院研究員
00年杏林大学医学部高齢医学講師
02年同助教授
04年東京大学大学院医学系研究科加齢医学助教授(07年職名変更)、
現在に至る
 
<著書>
「ベッドサイドの高齢者の診かた」(編著)南山堂
「症例から学ぶ高齢者の安全な薬物療法」(編著)ライフ・サイエンス(近日発売)
「高齢者のための薬の使い方—ストップとスタート」(編著)ぱーそん書房(近日発売)
「男が40を過ぎてなんとなく不調を感じ始めたら読む本」メディカルトリビューン

■講師 山口泰弘 先生(東京大学医学系研究科加齢医学/老年病科 講師)
<略歴>
96年3月東京大学医学部医学科卒業
96年東京大学医学部附属病院医員(研修医)
97年三井記念病院内科医員
99年国立療養所東京病院呼吸器内科勤務
00年東京大学医学部附属病院老年病科医員
06年東京大学医学部附属病院老年病科助手
11年東京大学医学部附属病院老年病科講師
現在に至る
<著書>
『やさしい高齢者の健康教室』
大内尉義監修、東京大学医学部附属病院老年病科編医薬ジャーナル社
一般の人を対象にした本ですが、老年医学がどのような診療をめざしているかがわかる本です。医療従事者の方も、特に専門外の領域を読んでみると、きっと参考になると思います。

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