総合診療系

実地医家のための末梢静脈疾患・末梢動脈疾患の診断と治療

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(下肢静脈・動脈エコー検査/実技付き)

■講師 榛沢和彦 先生(新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科 講師)
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【セミナー概要】
近年、生活習慣の変化から日本人において下肢静脈疾患が増加している。また最近は深部静脈血栓症(DVT)、下肢静脈瘤などは慢性病と考えられるようになっており、急性期治療または術後のみならず弾性ストッキング着用などの理学療法を習慣として長期にわたって行うことが望まれる。したがってDVTや静脈瘤は予防が重要であり、危険因子を持っている場合は健常者であってもエコー検査や弾性ストッキングの着用が推奨される。
末梢動脈疾患(PAD)は高齢化などにより日本人で増加している。PADは以前では閉塞性動脈硬化症(ASO)と呼ばれていたのであるが、脳梗塞や心筋梗塞などを合併していることが多く全身の動脈硬化が下肢に現れたものと捉えられている。したがって足を診て全身を診ないのは木を見て森を見ずに等しい。国際的にPADのスクリーニングは足背動脈血圧/上腕動脈血圧で計算されるABIである。ABI<0.9の場合はPADを考慮し下肢動脈エコーを行い造影CTが必要か否か判定するのがゴールドスタンダードである。
本医療技術セミナーでは講義と同時に下肢静脈エコー検査によるDVTの診断方法の実技を行い、さらに下肢動脈エコー検査によるPADの診断方法と特徴所見、PADの局在診断方法などについての実技を行う。
皆さま、奮ってご参加下さい。10:00-11:30講義末梢静脈血栓塞栓症(VTE)と
下肢の末梢動脈(閉塞性)疾患(PAD・ASO)
11:30-12:30実技触診法、血圧計を用いたABI測定法、
下肢動脈エコー検査法
12:30-13:30昼食・休憩
13:30-15:00講義下肢末梢静脈疾患(PAD・ASO)とリンパ疾患
15:00-16:00実技下肢静脈エコー検査法、弾性ストッキング着用法

セミナー要綱

セミナーNO. 170
開催日 2012年10月14日 10:00〜16:00
講師 ■榛沢和彦 先生(新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科 講師)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■10月14日(日)に開催しました第170回医療技術セミナー「静脈血栓塞栓症(VTE)と下肢の末梢動脈疾患(PAD・ASO)の診断と治療−エコー検査の実習付き」は盛会裏に終了しました。
講師は新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科の榛沢和彦先生にお願いしました。榛沢先生のご登場は、かのメディカル・コア以来、十本の指では足りないくらいになってしまいました。その間、榛沢先生は新潟地震や今回の東日本大震災の被災地にいち早く出かけられ、避難所で雑魚寝したり周辺の車の中で縮こまって避難生活を送られる住民の方々の健康相談に乗られ、かつ診療にあたられるとともに、下肢の血流の検査により、狭いところに長時間・期間押込められて生活すると生じるエコノミー症候群の予防等に大活躍され、すっかり有名になられた先生です。
講義は、午前中に末梢動脈疾患PADを、午後に末梢静脈血栓塞栓症VTE、特に深部静脈血栓症DVTについての講義を行っていただきました。午後の講義の中では、下肢の塞栓症や浮腫を避けるための弾性靴下の意義と履かせ方についての解説もあり、講義の後、エコー器の周りに集まっていただき、エコー検査の実技を行っていただきました。
この末梢動脈疾患PADという疾患は、日本人の生活の欧米化の結果、急増している疾患で、被災地だけでなく、通常の生活の中でも頻繁に遭遇する疾患になってきています。その病態と特徴としては動脈の狭窄や閉塞により生じ、緩徐に進行するため症状が無い例が多く、病変が進行してから、例えばしびれや長い時間歩いた後のふくらはぎの痛みによる間欠性跛行(びっこ)や下肢の色の変化に気付いてから病院を訪れても、既に手遅れになり死亡したり、指や足を失ったりする例も多い、とのこと。治療の基本は薬物治療・運動療法であり、カテーテル治療やバイパス手術などは重症病変のみ適応であるとのこと。また、深部静脈血栓症DVTについては、下肢のヒラメ静脈での血栓が腸骨静脈や大腿静脈等に大きな血栓を送り、それらの血栓が肺や脳、頸静脈等に飛び、突然死や肺塞栓症や脳梗塞等の重大な結果をもたらしているとのこと。
質疑では、DVTとPADの薬物療法について質問が集中しておりました。特に近年、カテーテルの挿入・検査技術が発達し、小さな血管にも通せるようになり、手術の適応が著しく少なくなっているとのこと。温浴療法では、バブを使った入浴以外にイソジン浴やヒビテン浴が知られてきている。
残されたアンケートには、やはりエコー検査の実技が魅力的であったようで、勉強になったというものが多かったように思います。

■講師 榛沢和彦 先生(新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科 講師)
<略歴>
89年新潟大学医学部卒業
新潟大学医学部外科入局
90年三条済生会病院外科
91年新潟大学医学部第二外科入局
水戸済生会総合病院外科
92年新潟大学大学院入学
96年県立中央病院胸部外科
97年医学博士号取得
新潟市民病院心臓血管、呼吸器外科
県立新発田病院胸部外科
98年新潟大学第二外科助手
99年新潟大学医学部付属病院集中治療部助手
02年東日本循環器病院心臓血管センター心臓血管外科医長
04年新潟大学医歯学総合病院呼吸循環外科医員
9月新潟大学教育研究院医歯学系助手
06年聖マリアンナ医科大学内科非常勤講師
07年獨協医科大学内科非常勤講師
11年新潟大学災害・復興科学研究所兼任
12年新潟大学医歯学総合病院心臓血管外科講師

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