総合診療系

プライマリケアで用いる漢方2 〜「呼吸器疾患」および「さまざまな不定愁訴」〜

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「呼吸器疾患」および「さまざまな不定愁訴」の漢方治療

■講師 野上達也 先生(富山大学医学薬学研究部和漢診療学講座 助教)
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【セミナー概要】
漢方医学は中国由来の我が国の伝統医学であり、多くの患者から根強い支持を得ています。我が国では質の高い医療用漢方エキス製剤が保険診療で用いることができ、医師の約80%が日常診療に漢方薬を用いているというデータもあります。漢方薬の著効例を経験し、漢方治療の魅力にお気づきになっている先生も少なくないのではないでしょうか。
しかしながら、多くの場合、いまだに漢方薬の使用は病名投与による限定的なものとなっており、あくまで日常診療の補助的な手段として用いられているのが実情ではないかと思います。漢方薬は病態によっては治療の中心的な手段となりうる治療薬です。もっと生かしていかなければもったいない。
今回の医療技術セミナーでは、日常診療で出会うことの多い、「呼吸器疾患」および「さまざまな不定愁訴」について診療の漢方薬を中心的な薬剤として用いてよいと考える病態について、漢方治療のコツをご紹介し、実際の症例を提示させていただきたいと思います。
皆さま、奮ってご参加ください。
0漢方薬を活かすための漢方理論
 
I.「呼吸器疾患」の漢方治療
1.感冒
2.鼻炎・副鼻腔炎
3.感冒後慢性咳嗽・気管支喘息
4.感冒後の微熱・倦怠感・食欲不振
 
II.「さまざまな不定愁訴」の漢方治療
1.体の各所の詰まり感
2.めまい、ふらつき
3.冷え、逆上せ
4.がん治療のサポート

セミナー要綱

セミナーNO. 164
開催日 2012年7月7日 15:00〜19:15
講師 ■野上達也 先生(富山大学医学薬学研究部和漢診療学講座 助教)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■7月7日(土)午後3時から7時まで開催しました第164回医療技術セミナー「プライマリケアで用いる漢方2−「呼吸器疾患」および「さまざまな不定愁訴」の漢方治療−」は盛会裏に終了しました。このテーマでの第一回目は4月28日に開催しましたが、多くの期待する声が届き、2回の新しい企画が決まっての開催です。
講師には、もちろん富山大学医学薬学研究部和漢診療学助教の野上達也先生をお迎えしました。
野上先生は、もともと中国で発達した中国医学の一つである漢方は大変に複雑で難解といわれるものの、日本的に解釈されたいくつかの流れの中で”千葉古法”と言われる大きな流れを作られた千葉大学の漢方学の寺沢捷年、三潴忠道先生のグループの流れを汲む方で、特に三潴先生のお弟子さんであります。また、富山大学は、古来から日本の薬学の流れを汲む土地柄でもあり、その地で”和漢診療”を精力的に続けておられる方です。
講義は、前回通り「漢方医学の基本」から始まり、急性疾患では陰陽・虚実、表裏、寒熱、六病位、慢性疾患では気血水、五臓といった概念と考え方が紹介されました。また、注意すべき副作用として、3つの要素の7つの薬剤を示されました。他にアレルギー反応による有害事象を生じさせたりするようです。診療にあたって確認されるべき要素として、脈診、腹診、そして舌診の取り方等と各々の原理、記載方法、舌に生じる苔の色の見本等、も示されました。
その後、前半部分の「呼吸器科疾患の漢方治療」として、感冒、鼻炎・副鼻腔炎、感冒後慢性咳そう・気管支喘息、感冒後の微熱・倦怠感・食欲不振について、基本的な考え方等の解説の後に、症例研究として応用問題をクイズ形式で呈示していただきました。
後半部分では、「様々な不定愁訴の漢方治療」として、体の各所の詰まり感、めまい・ふらつき、冷え・逆上せ、がん治療のサポートの4つの症状について、基本的な考え方等の解説の後に、症例研究として応用問題をクイズ形式で呈示していただきました。特に強調された点は、最後のがん治療のサポートの項で、本当はこの項で取り上げるべきではないかも知れないとされながら、最近見直されている点は、化学療法の抗がん剤を使用する際の基本体力の維持や調整で力を発揮しているとのことです。
漢方治療も、西洋医学とのうまい棲み分けが進み、漢方治療の方が得意な領域も確立され、保健適用が認められて来ました。前回は約10社ある製薬会社の間でも漢方薬エキスの番号は共通であることを書きましたが、同じ番号のエキスであっても実は効き方が違っっていたりすることもあるという重要なご指摘でした。また、実際に処方する薬局でも、漢方薬について詳しい薬剤師が少なくて、なかなか患者さんへの細かい指導が生き届いていないという問題もあるようです。また、服用原則としては、よく効いたら続ければ良いが、2週間経っても効かないようだったら止めるか、別の薬に変えるかするべきで、効かなかったら長くは使わないことだ、とのこと。
質疑応答では、開業医で漢方薬を使うのは女性の更年期障害の薬が多いが、そういう方は服んでくれるが、若い人はなかなか服んでくれないのでどうすれば良いかという相談や、漢方薬を服むのは本当に空腹時が良いのか等の他、たくさん出ました。

■講師 野上達也 先生(富山大学医学薬学研究部和漢診療学講座 助教)
<略歴>
98年富山医科薬科大学医学部卒業
98年富山医科薬科大学附属病院和漢診療学部医員
99年鹿島労災病院医員
02年富山医科薬科大学附属病院和漢診療部医員
03年株式会社麻生飯塚病院漢方診療科医師
10年富山医科薬科大学大学院医学系研究科(博士課程)修了
10年富山大学附属病院和漢診療科助教
12年富山大学医学薬学研究部和漢診
療学講座助教現在に至る
 
<学会活動など>
日本内科学会総合内科専門医、
日本リウマチ学会リウマチ専門医、
日本東洋医学会指導医

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