■講師　長浜隆司 先生（財）早期胃癌検診協会中央診療所　所長）
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■講師　小田丈二 先生（東京都がん検診センター消化器科　医長）
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【セミナー概要】
上部消化管Ｘ線・内視鏡検査は食道癌、胃癌のスクリーニング検査として全国で広く行われている検査法です。Ｘ線では高濃度低粘性バリウム製剤の開発やＸ線機器デジタル化を中心にした進歩、内視鏡では機器の高画素化や画像処理（ＮＢＩ、ＦＩＣＥ等）法の開発により画像精度は飛躍的に進歩していますが、依然としてＸ線では30〜40％、内視鏡では20％前後の偽陰性癌が存在すると最近のデータでも明らかになっています。このような見逃しを避けるためにも食道癌、胃癌の基本的なＸ線・内視鏡検査方法や所見を十分に熟知する必要があります。今回の医療技術セミナーではＸ線、内視鏡の基本的な検査方法や病変の存在診断、質的診断、見逃しを防ぐＸ線、内視鏡検査のコツを豊富な症例を提示し、分かりやすく解説いたします。消化器専門の先生のみならず、専門外の多くの先生方の参加をお待ちいたしております。
皆様、奮ってご参加ください。10:00-12:00１．早期食道癌のＸ線、内視鏡検査と読影のコツ
・食道X線検査の実際と意義
・症例呈示（X線・内視鏡所見の検討）
 
12:00-13:00昼食・休憩
 
13:00-15:00２．早期胃癌のＸ線、内視鏡検査と読影のコツ
・Ｘ線検査方法と読影のコツ
・内視鏡検査と読影のコツ

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■3月4日（日）に開催しました第143回医療技術セミナー「上部消化管（食道・胃）の検査とＸ線・内視鏡写真の読影」は盛会裏に終了しました。
講師は、プランナー、かつ午後の「胃」の検査法とＸ線・内視鏡写真の読影を、財団法人早期胃癌検診協会中央診療所所長長浜隆司先生に、午前の「食道」の検査法とＸ線・内視鏡写真の読影を、東京都がん検診センター消化器科医長の小田丈二先生にお願しました。
この企画は、ちょうど2年前の2月に長浜先生にお願いして企画・開催して以来、久方ぶりの開催でした。また、ここ数カ月の間に、「下部消化管−大腸内視鏡の”水浸法”」「腹部・消化管エコー」「下部消化管−ポリペクトミーと受けを取りやすい胃カメラ法」というように、大腸内視鏡や胃カメラ・・等の企画が集中しておりますところでの開催でした。
午前の「食道」の講義では、１．食道の構造と機能（Ｘ線的解剖）、２．食道の内視鏡像、３．食道癌（?疫学、?Ｘ線検診による拾い上げ、?内視鏡検査による拾い上げ、?鑑別を要する良性疾患、?食道癌）、４．食道炎およびバレット食道、という構成でした。食道は上下の筒になっており、いかにバリウムを壁にへばりつかせつつ落とし、そこをどううまく撮影するかということが永遠の課題の始まりのようです。良く整理・類型化された素晴らしいスライドの連続の供覧でした。
午後の「胃」の講義では、Ｘ線による検査方法と読影のコツ、内視鏡による検査と読影のコツ分かれて解説が行われました。
特に、胃癌も食道癌も、バリウム等の造影剤の工夫・開発の歴史や、撮影方法の工夫や検査の標準化の発展とともに、集団検診による検査の歴史とのかかわりの中で発展してきたものと言えましょうか最近は、医療費抑制の動きの中でそうした活動の費用のコストパフォーマンスの事や、人体の検査での被爆量とのかかわりの中で議論されることも多くなってきました。質疑応答の中でも、「ＡＢＣ検診」に関する質問が出て、長浜先生はスライドを新たに追加していただき丁寧にお答えいただきました。日本の消化器内科医を巻き込んでの診療体制をいかに構築していくか、課題は大きいようです。早期胃癌の検査と治療の領域でのトップランナーとしての気迫、気概に満ち満ちた素晴らしい講演でした。

■講師　長浜隆司 先生（財）早期胃癌検診協会中央診療所　所長）
90年3月福岡大学医学部卒業
6月鹿児島大学第二内科入局
94年6月国立南九州中央病院
（現鹿児島医療センター）
95年6月順天堂大学消化器内科画像診断研究室
98年4月東京都がん検診センター
01年6月早期胃癌検診協会中央診療所
現在に至る

■講師　小田丈二 先生（東京都がん検診センター消化器科　医長）
専門分野：消化管癌の発見•診断•内視鏡治療
<略歴>
93年3月熊本大学医学部卒業
6月熊本大学附属病院第二内科入局
00年4月多摩がん検診センター消化器科
10年4月東京都がん検診センターに名称変更、
現在に至る