代謝からインクレチン、そして新しい治療法へ〜いま一度 糖尿病を考える

■講師　弘田明成 先生（あざみのヘルスクリニック　院長）
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【セミナー概要】
毎年のように糖尿病患者が増え続け、近年では専門外
来だけでなく一般外来でも糖尿病診療がかなりの部分
を占めるようになっています。糖尿病治療に忙殺され
るあまり、なぜインスリンの働きが不十分だと糖尿病
になるのか、なぜ多彩な合併症が現れるのかといった
病因、病態などをじっくり考える時間も十分ではない
のが現状でしょう。インクレチン関連の新しい経口血
糖降下剤のみならず数々のインスリン製剤も次々上市
され、糖尿病治療もかなりオーダーメイド傾向になっ
てきていると言っても過言ではありません。今後さら
にiPS細胞などの登場により糖尿病治療はますます進歩
するものと期待されています。
 
＜ご注意＞
午後の「糖尿病の薬物治療」にもご出席になる受講者にはお弁当をご準備しますので、できるだけ事前に受講の登録をしてください。?インスリン作用から見た糖尿病の病態
?糖尿病診断の変遷を考える
?合併症のメカニズムについて
?治療薬、代替医療の選択
?新しい治療法の可能性（レスベラトロールなどの既存の医薬品に頼らない治療法の可能性について特に時間を割いて話す予定）
 
（講師の弘田明成先生は、体質改善のための「健康食品」として、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールを多く含んだ食品を推奨されておられます。食品では、赤ぶどうの果皮と赤ワインに多く含まれています）

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■2月5日（日）午前に開催しました第137回医療技術セミナー「糖尿病の薬物に依存しない治療法−代謝からインクレチン関連薬、そして新しい治療法へ；いま一度糖尿病治療を考える−食事と運動を考え直す」は盛会裏に終了しました。
講師には、横浜市・あざみ野ヘルスクリニック院長の弘田明成り先生をお迎えしました。弘田先生は、米国の大学の理学部、理学修士課程で生化学を学ばれ、日本の大学の医学部、医学博士課程を再び卒業された後、駒沢病院、そしていくつかの病院・クリニック等で臨床に携わって来られるという華麗な学歴・経歴をお持ちの方です。
講義は、みのもんたさんのかつての番組での医学情報の取り上げ方とその影響で、またその後似たような番組が増え、患者さんの方が特殊で変な知識を持っておられることがあり、診療や説明、指導に苦慮することがある・・・・という話題から始められました。また、ある写真週刊誌の特集での健康に関する質問例等も取り上げられ、誤った知識先行の例も挙げられました（みのさんの最近の庶民的な政治評論には耳を傾けさせるものがあるとは思いますが、かつての健康知識に関する番組では、ちょっとだけ体に良い面があると、それを大きく取り上げてしまう、あるいはそれを摂ると明日にも病態が改善されるという伝え方があって、例えば、バナナが、時には紅茶が良いとなると、翌日スーパーマーケットから、それらが一斉に消える・・・・といった現象が生じたことがありましたが。知人の大学関係者は”一種の公害”であると評されました）。また、弘田先生は、多くの”糖尿病予備軍”といわれる方々、あるいは薬物療法で改善が見られない方々、あるいは薬物治療に飽き足りない方々には有効で必要な領域であると強調され、その後、?糖尿病患者はどこまで増えるか、?糖尿病とインスリンの作用、?糖尿病の診断と主な治療薬、?各種治療薬の特徴と問題点、?食事療法と運動療法を考え直す、?血糖上昇を防ぐ物質・サプリメント、?その他の治療法、と続きました。
特に、この講義での中心的な部分、要するに「血糖上昇を防ぐ物質、サプリメント」のところでは、「スローカロリー」という考え方を強調されるとともに、パラチノースの効能、セカンドミール効果、大豆の有効性、β-グルカン、霊芝（レイシ）、グアーガム、緑茶の解説と続き、その中で「レスベラトロール」について時間を割かれて解説を加えられました。この物質は、ポリフェノールの一種で、ブドウ、イタドリ、ピーナッツ・アーモンド等に、多く含まれているということです。これらは、糖尿病だけでなく、「認知症」にも有効とのことで、つい最近、これの誘導体がSirtrisというアメリカの会社により開発され、米国系の製薬会社から発売されるであろうとのことでした。
 

■講師　弘田明成 先生（あざみのヘルスクリニック　院長）
75年サンフランシスコ州立大学理学部卒
77年サンフランシスコ州立大学理学修士課程修了
81年大阪大学医学部卒
87年大阪大学医学博士課程修了
91年駒沢病院内科部長
94年あそか病院診療部長
96年美里アイクリニック院長
05年医療法人黎明会副理事
11年あざみ野ヘルスクリニック院長
 
前・徳島大学非常勤講師
前・聖マリアンナ医科大学非常勤講師
 
・日本内科学会
・日本糖尿病学会
・日本抗加齢学会他
（糖尿病専門医、内科認定医、抗加齢専門医、認定産業医）