実地医家にできる糖尿病の薬物療法とインスリンの外来処方(症例検討含)
インクレチン関連薬導入後 2年間のまとめ と、インスリンの外来処方
■講師 内田大学 先生(木更津・ほたるのセントラル内科 院長)
>講師詳細はこちら
【セミナー概要】
現在、経口糖尿病薬は6種類が臨床で使用されている。これだけ種類が増えると、患者の病態を考慮して適切な薬を選択する必要がある。我が国の2型糖尿病は従来からインスリン分泌低下が主体と考えられていたが、近年の生活習慣の欧米化により小太りのインスリン抵抗性が強い症例も増えてきている。どのような切り口で患者の病態を判断し、どのような薬剤を選択するべきなのかをわかりやすく解説する。特に2年前から我が国でも臨床使用できるようになったDPP4阻害薬とGLP-1受容体アゴニストは糖尿病治療に大きな変革をもたらした。これらの薬剤の使用経験と症例についても解説をする。
インクレチン関連薬が使用できるようになった現在でも、インスリン治療の重要性が変わったわけではない。現在でも、インスリン導入が遅れて合併症が進行した不幸な症例を作らないようにすることが重要である。近年、インスリン製剤やペン型注射器は進歩し、自己血糖測定の器具も改良が進み、インスリン導入の垣根が低くなった。もはや外来でインスリン導入することが一般的になっている。特に実地医家にも簡単にできるインスリン導入法として、従来の経口薬治療に持効型インスリン1回打ちを併用するBOTを解説する。BOTをきっかけにインスリン治療を身近なものとしていただき、早期インスリン導入が普及されることを期待したい。
<ご注意>
午前中の「糖尿病の処方薬に依存しない治療」にもご出席になる受講者にはお弁当をご準備しますので、できるだけ事前に受講の登録をしてください。)13:00-15:00糖尿病の病態を考慮した治療戦略
インクレチン関連薬の実際
簡単になった外来インスリン導入の勧め
内田大学先生には、’10年11月14日に、セミナー「糖尿病の最新の薬物療法の実際ー」において、『どの薬から始め、何を加えるか』(治療薬選択の実際と併用時の注意)というテーマでお話をいただいた経緯から、その後、約一年経った時点での、症例を含めたお話を伺う事になった次第です。
セミナー要綱
セミナーNO. | 136 |
開催日 | 2012年2月5日 13:00〜15:30 |
講師 | ■内田大学 先生(木更津・ほたるのセントラル内科 院長) |
診療科目 | 一般医学系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■2月5日(日)午後に開催しました第136回医療技術セミナー「実地医家にできる糖尿病の薬物療法とインスリンの外来処方」は盛会裏に終了しました。
講師には、木更津市のほたるのセントラルクリニック院長の内田大学先生をお迎えしました。内田先生は、一昨年の11月に、同じテーマでお願いしており、”インクレチン関連薬”が上市され約2年が経過するとともに、前回からの1年半の間の蓄積された症例をまとめ、振り返っていただこうという企図です。また、この日の企画は、午前の「糖尿病の薬物に依存しない治療」と合わせて、糖尿病治療をトータルに考えていただこうという企図でもあります。
講義は、?わが国の2型糖尿病の病態の特徴、?経口糖尿病薬の種類と(患者の)病態を考慮した選択、?DPP−4阻害薬の登場、?GLP-1アナログの使用経験、?BOTによる外来での早期インスリン導入、?配合剤の種類、と続きました。
講義では、「病態に合わせた経口血糖降下薬の選択」ということで、?インスリン抵抗性、?インスリン分泌能低下、?インスリン作用不足、?食後、あるいは空腹時高血糖の病態に合わせた4系統の経口血糖降下薬、?ビグアナイド薬、?チアゾリジン薬、?DPP−4阻害薬、?スルホニル尿素薬、?速効性型インスリン分泌促進薬、?α-グルコシダーゼ阻害薬の解説の中で、当然「現在、使用できるDPP−4阻害薬4剤」の使用のノウハウについて興味が集中しているようで、作用の強さや作用時間と反比例する一日に呑む回数や、併用可能な薬剤の組み合わせ方など、詳細な解説が行われました。
内田先生は、講義の中で、2型糖尿病は進行性の病気であり、早急な対応をとる必要性があることを強調されました。また、最近は呑む薬の数を減らす意味もあるいろいろな薬剤が合わさった”配合剤”が普及してきており、ある面便利であり、有効に活用されることをも強調されました。
質疑応答の時間には、会場受講者やネット受講者からも質問が集中し、いつまでもディスカッションが続きました。
■講師 内田大学 先生(木更津・ほたるのセントラル内科 院長)
資格:糖尿病専門医・指導医、内分泌代謝専門医・指導医、内科専門医、産業医
略歴:1987年山梨医科大学卒業、同年千葉大学第二内科入局、1993年米国チューレン大学留学、2000年千葉大学保健管理センター助手、2002年君津中央病院内分泌代謝科部長、2008年ほたるのセントラル内科開業