総合診療系

プライマリケアで用いる漢方 〜神経症状と女性に多い病態を漢方で治す〜

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神経症状と女性に多い病態を漢方で治す

■講師 野上達也 先生(富山大学医学薬学研究部和漢診療学講座 助教)
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【セミナー概要】
漢方医学は中国由来の我が国の伝統医学であり、多くの患者から根強い支持を得ています。我が国では質の高い医療用漢方エキス製剤が保険診療で用いることができ、医師の約80%が日常診療に漢方薬を用いているというデータもあります。漢方薬の著効例を経験し、漢方治療の魅力にお気づきになっている先生も少なくないのではないでしょうか。
しかしながら、実際の診療の現場では、漢方薬はまだまだ病名投与で用いられる例、すなわち術後イレウスの予防に大建中湯、認知症の周辺症状の軽減に抑肝散といったように、特定の処方を特定の病態にだけ用いている例が多く、漢方治療がその実力を十分に発揮できているとは言い難いかと思います。
今回の医療技術セミナーでは漢方薬の特徴を最大限に生かすために必要な基本的な漢方理論と実際の診療上のコツを、神経症状と女性に多い病能を対象にご紹介したいと考えます。
皆さま、奮ってご参加ください。
■講演プログラム・要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断り申し上げます)
 
15:00-17:00第1部:
1漢方薬を活かすための漢方理論
2神経症状の漢方治療
1)めまい・ふらつき/2)しびれ・神経痛/
3)咽頭異常感覚症/4)排尿障害/5)不眠症
 
17:00-17:15休憩
 
17:15-19:15第2部:
3女性のための漢方治療
1)月経異常/2)浮腫/3)肌荒れ/4)冷え症/5)肥満

セミナー要綱

セミナーNO. 126
開催日 2012年4月28日 15:00〜19:15
講師 ■野上達也 先生(富山大学医学薬学研究部和漢診療学講座 助教)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■4月28日(土)午後3時から7時まで開催しました第126回医療技術セミナー「プライマリケアで用いる漢方−各種の神経症状と女性に多い病態を漢方で治す−」は盛会裏に終了しました。この日は、連休の始まりの土曜日であるにも関わらず、ご出席いただきました皆さまに心より御礼を申し上げます。
講師には、富山大学医学薬学研究部和漢診療学助教の野上達也先生をお迎えしました。
野上先生は、もともと中国で発達した中国医学の一つである漢方は大変に複雑で難解といわれるものの、日本的に解釈されたいくつかの流れの中で”千葉古法”と言われる大きな流れを作られた千葉大学の漢方学の寺沢捷年、三潴忠道先生のグループの流れで、特に三潴先生のお弟子さんであります。また、富山大学は、古来から日本の薬学の流れを汲む土地柄でもあり、その地で”和漢診療”を精力的に続けておられる方です。
講義は、「漢方医学の基本」から始まり、急性疾患では陰陽・虚実、表裏、寒熱、六病位、慢性疾患では気血水、五臓といった概念と考え方が紹介されました。また、注意すべき副作用として、3つの要素の7つの薬剤を示されました。附子(ぶし)や乾姜、甘草やトリカブトなど、普通に扱うと猛毒を持っていたりして危険な生薬が示されました(「毒は毒を持って制す」といった表現がこれにあたるのでしょう)。他にアレルギー反応による有害事象を生じさせたりするようです。診療にあたって確認されるべき要素として、脈診、腹診、そして舌診の取り方等と各々の原理、記載方法、舌に生じる苔の色の見本等、も示されました。
その後、前半部分は、「各種の神経症状の漢方治療」として、めまい・ふらつき、しびれ・神経痛、咽口頭異常感覚症、排尿障害、不眠症の5つについて、基本的な考え方等の解説の後に、症例研究として応用問題をクイズとして呈示していただきました。
後半部分では、「女性に多い症状の漢方治療」として、月経障害、浮腫(むくみ)、肌荒れ、冷え症、肥満の5つの症状について、基本的な考え方等の解説の後に、症例研究として応用問題をクイズ形式で呈示していただきました。
漢方治療も、西洋医学とのうまい棲み分けが進み、漢方治療の方が得意な領域も確立され、保健適用が認められて来ました。私はこむら返りにT社のNo.68の芍薬甘草湯の処方を受けておりますが、驚いたことに10本の指では余る程度に存在する製薬企業間でも、共通の番号なんだそうですね。確かにそうでないと、分からなくなって不便でしょうね。
質疑応答では、妊娠にからむ生薬の使い方や、防風通聖散を使って市販されている”痩せ薬”のK製薬の薬の危険性(またもK製薬です!;かつてのセミナーでキズドライの有害性が話題になりました!)等の他、たくさん出ました。

■講師 野上達也 先生(富山大学医学薬学研究部和漢診療学講座 助教)
<略歴>
98年富山医科薬科大学医学部卒業
98年富山医科薬科大学附属病院和漢診療学部医員
99年鹿島労災病院医員
02年富山医科薬科大学附属病院和漢診療部医員
03年株式会社麻生飯塚病院漢方診療科医師
10年富山医科薬科大学大学院医学系研究科(博士課程)修了
10年富山大学附属病院和漢診療科助教
12年富山大学医学薬学研究部和漢診
療学講座助教現在に至る
 
<学会活動など>
日本内科学会総合内科専門医、
日本リウマチ学会リウマチ専門医、
日本東洋医学会指導医

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販売価格  ¥5,500(税込)

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