総合診療系

静脈血栓塞栓症(VTE)と下肢の末梢動脈疾患(PAD・ASO)の診断と治療

s00122
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■講師 榛沢和彦 先生(新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科 講師)
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【セミナー概要】
東日本大震災では厳しい環境の避難所で静脈血栓塞栓症(DVT)が多発し、肺塞栓症(PE)の発生も少なくありませんでした。このように日本人でもDVTおよびPEが増加しいています。欧米では既にDVTとPEは静脈血栓塞栓症(venousthrombo-embolism;VTE)として統合した疾患とされており、密接に関係することがわかっています。
本医療技術セミナーでは、VTEの診断に関してエコー検査から造影CTまで、その方法と読影方法などを体系的に解説します。また治療に関しては弾性ストッキングなどの理学療法から血栓溶解療法、そして最新の抗凝固療法までを体系的に解説します。一方、閉塞性動脈硬化症(ASO)は欧米では末梢動脈疾患(peripheralarterialdisease;PAD)と称されるようになっています。これはPADが冠動脈疾患や頸動脈疾患などの他の動脈疾患と密接に関連することにあります。末梢動脈疾患PAD(ASO)は症状の無い状態から始まっており、早期診断治療が重要であり、特に薬物治療と運動療法が有用です。
本医療技術セミナーでは、PADの診断法についてABI(ankle-brachialpressureindex)やエコー検査などから造影CTまで体系的に説明する。また、治療に関しても薬物治療・運動治療から外科的治療の適応までを体系的に説明します。
静脈血栓塞栓症(VTE)は予防できる疾患であり、下肢の末梢動脈疾患(PAD)は早期発見・治療で進行を遅らせることができる疾患です。ぜひこの機会に両者の早期診断法と治療法を知っていただき、一人でも多く患者様が肺塞栓症で死亡しないように、また下肢切断とならないようにしていただければと思います。
皆様、奮ってご参加ください。
■講演プログラム(受講者各位の録画・録音は固くお断り申し上げます)
10:00-11:30講義静脈血栓側線症(VTE)と
下肢の末梢動脈(閉塞性)疾患(PAD・ASO)
11:30-12:30実技触診法、血圧計を用いたABI測定法、
下肢動脈エコー検査法
12:30-13:30昼食・休憩
13:30-15:00講義下肢末梢静脈疾患(PAD・ASO)とリンパ疾患
15:00-16:00実技肢静脈エコー検査法、弾性ストッキング着用法

セミナー要綱

セミナーNO. 122
開催日 2011年10月10日 10:00〜15:00
講師 ■榛沢和彦 先生(新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科 講師)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■10月10日(祝)に開催しました第122回医療技術セミナー「静脈血栓塞栓症(VTE)と下肢の末梢動脈疾患(PAD・ASO)の診断と治療−エコー検査の実習付き」は盛会裏に終了しました。
講師は新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科の榛沢和彦先生にお願いしました。榛沢先生のご登場は、かのメディカル・コア以来、十本の指では足りないくらいになってしまいました。その間、榛沢先生は新潟地震や今回の東日本大震災の被災地にいち早く出かけられ、避難所で雑魚寝したり周辺の車の中で縮こまって避難生活を送られる住民の方々の健康相談に乗られ、かつ診療にあたられるとともに、下肢の血流の検査により、狭いところに長時間・期間押込められて生活すると生じるエコノミー症候群の予防等に大活躍され、すっかり有名になられた先生です。
講義は、予告と違い、午前中にPADを、午後にDVTについての講義を行っていただきました。午後の講義の中では、下肢の塞栓症や浮腫を避けるための弾性靴下の意義と履かせ方についての解説もあり、その後それぞれの講義の後、エコー器の周りに集まっていただき、エコー検査の実技を行っていただきました。
このPADという疾患は、日本人の生活の欧米化の結果、急増している疾患で、被災地だけでなく、通常の生活の中でも頻繁に遭遇する疾患になってきています。その病態と特徴としては動脈の狭窄や閉塞により生じ、緩徐に進行するため症状が無い例が多く、病変が進行してから、例えば間欠ハコウや下肢の色の変化に気付いて病院を訪れても、既に手遅れになり死亡したり、足を失ったりする例も多い、とのこと。治療の基本は薬物治療・運動療法であり、カテーテル治療やバイパス手術などは重症病変のみ適応であるとのこと。また、DVTについては、下肢のヒラメ静脈での血栓が腸骨静脈や大腿静脈等に大きな血栓を送り、それらの血栓が肺や脳、頸静脈等に飛び、突然死や脳梗塞等の重大な結果をもたらしている。
質疑では、PADの薬物療法と、温浴療法について質問が集中しておりました。特に近年、カテーテルの挿入・検査技術が発達し、小さな血管にも通せるようになり、手術の適応が著しく少なくなっているとのこと。温浴療法では、バブを使った入浴以外にイソジン浴やヒビテン浴が知られてきている。
他に、昼食時間中に、約30分間ほど、「避難所における下肢エコー検査によるPADやDVTの発見結果の報告や欧米型の新しい型の避難所についての提案」という特別報告が行われました。受講者にとっては、いつ何時、自分が避難所で診療にあたるような事態が生じる可能性もある訳で、皆さん、真剣に聞いておられました。

■講師 榛沢和彦 先生(新潟大学医歯学総合研究科呼吸循環外科 講師)
<略歴>
89年新潟大学医学部卒業
新潟大学医学部外科入局
90年三条済生会病院外科
91年新潟大学医学部第二外科入局
水戸済生会総合病院外科
92年新潟大学大学院入学
96年県立中央病院胸部外科
97年医学博士号取得
新潟市民病院心臓血管、呼吸器外科
県立新発田病院胸部外科
98年新潟大学第二外科助手
99年新潟大学医学部付属病院集中治療部助手
02年東日本循環器病院心臓血管センター心臓血管外科医長
04年新潟大学医歯学総合病院呼吸循環外科医員
9月新潟大学教育研究院医歯学系助手
06年聖マリアンナ医科大学内科非常勤講師
07年獨協医科大学内科非常勤講師
11年新潟大学災害・復興科学研究所兼任
12年新潟大学医歯学総合病院心臓血管外科講師

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