総合診療系

足から全身を診る: 末梢動脈疾患(PAD)の診断と治療

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実地医家における高齢者の診療で遭遇しやすい“足痛”

■講師 宮本明 先生(菊名記念病院心臓血管センター センター長)
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【セミナー概要】
末梢動脈疾患(PAD)は、下肢動脈の狭窄または閉塞により生ずる下肢の虚血性疾患です。主な原因は、粥状硬化で、冠動脈疾患や脳血管疾患と高率に合併するため、生命予後が不良と報告されています。高齢者に多い“足が痛い”という訴えは、全身の動脈硬化性疾患の兆候かもしれません。年齢の問題と簡単に切り捨てずに、一度、足の状態を観察してください。足の動脈が触れなければ、重篤な動脈硬化性疾患が潜んでいるかもしれません。
皆様、奮ってご参加ください。
■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断り申し上げます)
 
10:00-12:00末梢動脈疾患(PAD)の臨床的重要性と診断法
まず、PADの疫学と他の粥状硬化疾患との関係を提示し、PADの診断意義を解説したいと思います。次に、診断法をベッドサイドでの脈の触診からABIなどの脈波診断、エコーによる検査法の他、CT、MRAや血管造影による画像診断について説明します。
12:00-13:00昼食・休憩
13:00-15:00末梢動脈疾患(PAD)の治療・血管内治療を中心に
ADの基本治療は、薬物療法、運動療法、血行再建術です。血行再建術は、血管内治療と外科的バイパス術がありますが、近年、血管内治療の進歩は目覚ましく、今後、PADの中心的治療となる可能性が高いと思います。そこで、血管内治療の現況と今後の展望について私見を交えて解説したいと思います。最後に、PADの極型である重症虚血肢に対する集学的治療の重要性についても解説したいと思います。

セミナー要綱

セミナーNO. 120
開催日 2011年11月6日 10:00〜15:00
講師 ■宮本明 先生(菊名記念病院心臓血管センター センター長)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月6日(日)に開催しました第120回医療技術セミナー「足から全身を診る:末梢動脈疾患(PAD)の診断と治療−高齢者の診療で遭遇しやすい”足痛”」は盛会裏に終了しました。
講師は菊名記念病院心臓血管センター、センター長である宮本明先生にお願いしました。約1カ月前の10月10日に、末梢動脈疾患(PAD)や閉塞性動脈硬化症(ASO)のエコー検査について新潟大学呼吸循環外科の榛沢和彦先生にお話をお願いして以来のPADですが、今回は外来での診療と診断、治療を主体とした講義とさせていただきました。
講義は、午前がPADの臨床的重要性と診断法、午後はPADの治療についてでしたが、PADないしASOも同じような疾患の意味で、主として「下肢動脈のアテローム性動脈硬化病変による下肢組織の虚血症状」のことで、一般的な疾患で遭遇しやすいとのこと。もっと分かりやすくいえば、55歳以上の高齢者がタバコや高血圧、糖尿病、高脂血症等で下肢へ血液を送る血管が詰まったことで起こる諸疾患についてでした。それは、まずちょっと歩いただけで足が痛くなりびっこを引き始めるといったことから始まり、あるいは足先に血液が行き渡らなくなり、つま先から色が変わり、指や足を失い、そして命を失う・・・といった恐ろしい疾病です。が、症状があればまだしも、無症状である事が症例中で70%はあるというのは驚きでした。また、下肢の病気といっても、血流のネットワーク等とも関係し、結局は全身病であることが色んな場面で強調されました。また、治ることはなくて、悪くなるばかりの病気であること、足を切断したりして治療しても、多くが2、3年後には死に至ることも多いとも。スクリーニングにはABI(下腿−上腕血圧比)検査が有用で、ABI値は生命予後とも相関するとのこと。
午後の講義では、治療という点で薬物療法と手術療法を中心に進められました。薬物療法では、いくつかの抗血小板剤治療薬が紹介され、下肢のみならず全身動脈硬化病変に有用であること、手術による血行再建にはバイパス術とインターベンションがあり、前者は長期開存が、後者は非侵襲性に優れていること、新しい治療器具等の紹介も行われましたが、日本ではまだ認可されていないものも多く、早い認可が待たれるとのこと。
質疑では、受講者全員が皆、たくさんの疑問を出され、ネット受講者からの分と合わせ、活発に行われました。

■講師 宮本明 先生(菊名記念病院心臓血管センター センター長)
<略歴>
1983年 防衛医科大学校卒業
1983-85年 防衛医科大学校病院にて研修医
1985-87年 自衛隊仙台病院内科勤務
1987-89年 防衛医科大学校第一内科勤務
1989-90年 自衛隊中央病院内科勤務
1990-94年 防衛医科大学校研究科(第一内科)
1992-94年 NewEnglandDeaconessHospital循環器科勤務
1994-95年 自衛隊熊本病院放射線科部長
1995-97年 川崎幸病院循環器科医長
1997-2004年川崎幸病院循環器科部長
2001-04年 川崎幸病院副院長兼心臓血管センター長
2005年‐ 菊名記念病院心臓血管センター長
 
<資格>
医学博士
日本内科学会内科認定医・専門医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医・指導医
日本血管内視鏡学会認定医
日本脈管学会専門医
 
<著書>
大腿膝窩動脈及び膝下動脈閉塞性病変に対するインターベンション治療;TOPICSyllabus2005年、
 
〜人は血管とともに老いる〜予測困難な心臓疾患血管の動脈硬化診断を;リネンサプライ2005年、
 
PADの現状と今後の展望−循環器におけるPAD診療の意義−;日経メディカル2005年7月号神奈川版、
 
StrategytoAvoidStenting-HowtotreatSFAPTAwithoutstenting-;
VascularIntervention-TodayOctober2006、
 
膝下動脈病変へのインターベンション:手技と成績を中心に;CoronaryIntervention、2007、
 
腎動脈インターベンション:手技と成績を中心に;CoronaryIntervention、2007、
 
透析患者におけるPADの診断と治療;
MedicalNews第1907号2007年
 
バルーンおよびステントの選択について教えてください、EVTで遠位塞栓予防治療は必要ですか、使用に適した病変はどんな病変ですか;『EVTテクニックこれは困ったどうしよう!』南部伸介監修飯田修編集2009年、
 
頸動脈狭窄の手術適応と治療法の選択;
『呼吸と循環』医学書院2009年、
 
末期腎疾患を持つCLI患者に対する経皮的治療;VI-TodayApril、2008
 
重症虚血肢に対するカテーテル治療膝下動脈領域;『重症虚血肢診療の実践集学的治療によるアプローチ』南都伸介/監修南江堂2009年
 
急性大動脈解離に合併した腎動脈解離にステント留置が有効であった一例;
『腎動脈ステント留置術ハンドブック』横井宏佳編集診断と治療社2010年、
2011年分は、広報用のチラシに掲載済み

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