一般医学系

原発事故から小児の健康を守る−小児の診療上のチェックポイント(緊急開催 第二弾)

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ニュースだけでは分からないホントのところを学ぶ

■講師 浦島充佳 先生(東京慈恵会医科大学小児科 准教授 /総合医科学研究センター公衆衛生学 分子疫学 准教授)
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【セミナー概要】
3月11日に起きた東北地方太平洋沖大地震と大津波により引き起こされました東京電力福島第一原発の放射能漏れ事故から約半年が経過しました。東日本大震災と津波の被災地は力強く復興への歩みを始めましたが、原発事故の部分では、“低温冷却”や“地表除染”が進んでいますが、まだまだ安心はできない状況です。大気や海中への放射性物質の飛散・流入により飲み水の汚染、野菜や稲作汚染等の農業、肉牛の内部被曝等の畜産業、魚介類汚染等の水産業等全体への影響、また住環境では外では遊べなくなって幼稚園や小学校の運動会も屋内で開かれる等の教育環境だけでなく健康にも多大な悪影響を与え続けるとともに、各種の風評被害も発生し、社会に深刻な影響を与えております。
また、半径20Km(ならびに30Km)圏内の住民の屋内退避や地域外への長期化した避難措置はまもなく解除されるとの報道もあり、福島県では36万人の子供たちの健康調査が始まる等、前向きの積極的な動きも伝えられておりますが、一方で、多くの住民の他地域への移住・流出固定も起こっております。
そこで、放射性物質による環境汚染と被曝による小児への影響等に関する正しい医学知識(大気・土壌・海水・食物・飲み水などの人体への影響等)とその限界・限度と、実際の診療に当たって、押えておくべきノウハウや知識を実地医家の皆様に持っていただくべく緊急に医療技術セミナー第二弾を開催いたします。
この危機・国難を力を合わせて乗り切りましょう!頑張ろう日本!!皆様、奮ってご参加ください。
小児科医をはじめとする医師や医療従事者は病児を診ていればよいのではなく、家族や周辺環境にも配慮するべき。放射能汚染により広がる不安そのことによる家族への影響が浸透し広がる。そんな中での医師や医療従事者の役割について考えてみたい。また、小児診療におけるチェックポイントについて学びます。

セミナー要綱

セミナーNO. 118
開催日 2011年10月29日 18:45〜20:45
講師 ■浦島充佳 先生(東京慈恵会医科大学小児科 准教授 /総合医科学研究センター公衆衛生学 分子疫学 准教授)
診療科目 一般医学系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■10月29日(土)夜に開催しました第118回医療技術セミナー「原発事故から小児の健康を守る−小児診療上のチェックポイント:ニュースだけでは分からないホントのところを学ぶ(緊急特別企画第2弾)」は盛会裏に終了しました。
今回の医療技術セミナーは、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から7カ月が経った時点で開催されました。医療技術セミナー”スキルアップ”では、大震災と原発事故から、約1カ月後の4月16日の夜に、いち早く第一弾目の医療技術セミナー「原発事故と放射能汚染による人と環境への影響」を開催しましたが、それ以来、約半年が経過していく中で、この秋は原発事故に関連する一色の企画で、企画的にも「甲状腺」検査のセミナー等をいくつか開催してきましたが、今回のセミナーは、ある面まとめの意味を含めての開催です。
講師には、4月16日夜開催の第一弾目と同様、東京慈恵会医科大学小児科、総合医科学研究センター臨床研究開発室分子疫学研究室准教授であり、内閣官房危機管理官アドバイザーの浦島充佳先生にお願いしました。浦島先生は、疫学や腫瘍学がご専門で、
’85年の当時ソ連のチェルノブイリ原発事故にもお詳しく、この間、NHKの”クローズアップ現代”に何度も出演されコメントされるとともに、被災地の福島県の市町村からアドバイザーの委嘱をいくつも受けられるなど、この問題では講師に最も相応しい講師陣の中のお一人です。
講義は、エネルギー問題、放射能に関する基礎知識−放射線の種類と特徴、外部被ばくと内部被ばく、実行線量、単位、セシウム(137Cs)やヨウ素(131I)の性質、半減期とは、決定モデルと確率モデルによるリスク予測と不確実性、予想されるリスクの内容(被曝による不妊症等)、放射性物質の飛散の推測(事故当初から、放射性物質は高空に上がり遠距離まで達してしまっている)とその後(動物や植物への影響、土壌や田畑、森林への影響)、除染の効用、被害の予防法、甲状腺癌検査や対策等の小児医療上のポイント等について、冷静かつ慎重に淡々と解説を行っていただきました。肝心の小児をはじめとしたヒトへの被害の予防法については、色んな検査を進めて、早期発見による早期治療しかないことを強調されました。また、国がしっかり対応して被曝の基準作りを早急に進められ、細かな対策を講じていくことの重要性もまた強調されました。
一方で、食品安全委員会の7月に出された見解で、内部被ばくや外部被ばくの基準値が、”併せて”の基準から”内部被ばくのみ”の基準値へずれる等、おかしな現象も見られていること等に象徴的に見られるように政府の対応には、遅いだけでなく、逆に信頼を損なうような施策も見られてきているのが心配である、とのこと。
今回の事故とその影響は、目に見えにくい、コントロールできない、不確実、情報の錯綜、政府が信じられない、(事故の影響による)癌などもいつ発生するか分からない、(我々大人のことではなく)子供のことである等の多くの要素で不安が広がっている。それを受けて、社会の中には、?大変だ、というものと、?どうってことないよ、という2つの意見が飛び交っており、政府は、一日も早く、出来る限りの予防多くの措置を講じて欲しい。
あまりにも膨大なテーマだったことから時間が無く、テキストの最後には、浦島先生がこの5月に出された『放射能汚染ほんとうの影響を考える−チェルノブイリ原発事故と福島原発事故との
違いとは』という著書の紹介が載っておりました。興味ある方はぜひお求めになって読んでください。

■講師 浦島充佳 先生(東京慈恵会医科大学小児科 准教授 /総合医科学研究センター公衆衛生学 分子疫学 准教授)
<略歴>
86年3月東京慈恵会医科大学卒業
5月東京慈恵会医科大学附属病院長
直属の研修医として小児科で
研修開始
88年3月初期臨床研修修了
4月東京慈恵会医科大学小児科学
講座医員、東京都立北療育医療
センター小児科派遣
89年7月同上復帰、東京慈恵会医科大学
小児科学講座助手
93年5月医学博士の学位取得
94年4月米国・ハーバード大学留学
97年4月同上帰国
5月東京慈恵会医科大学附属病院
小児科准診療医員(無給)
6月同上診療医員
99年6月米国・ハーバード大学留学
00年6月MasterofPublicHealth取得
9月同上帰国
10月東京慈恵会医科大学薬物治療学
研究室助手
東京慈恵会医科大学附属病院
小児科兼任
01年9月臨床研究開発室兼任
11月薬物治療学研究室講師
05年11月臨床研究開発室准教授
06年4月臨床研究開発室室長
現在に至る
 
<所属学会>
日本小児科学会
日本血液学会
日本癌学会
日本小児保健協会
日本薬剤疫学会
 
<社会的活動>
内閣官房副長官補による委嘱
平成18年9月28日〜現在
内閣官房より講師を依頼
平成18年10月11日〜現在
内閣官房危機管理官アドバイザー
国立環境研究所より委嘱
・地球温暖化会議
平成19年5月15日〜6月5日
WHO(マニラ):
1.GlobalEnvironmentalChange
andHumanHealth、
2.MillenniumEcosystemAssessment

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