総合診療系

皮膚血管炎疾患と血管炎を伴わない血管炎類似疾患

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診断と治療のコツと落とし穴

■講師 陳科栄 先生(東京都済生会中央病院皮膚科 部長)
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【セミナー概要】
<開催のねらいとお誘いの言葉>
皮膚は臓器の中でも血管炎を発症する頻度の最も高い臓器です。皮膚血管炎は皮膚に限局するものもあれば、全身性血管炎の皮膚症状として現れることもあります。内臓の血管炎と異なり、皮膚の血管炎症状は肉眼で確認ができ、簡易な皮膚生検によって、血管炎を迅速に確定診断できるので、早期の血管炎治療につながるというのが皮膚血管炎の特徴でもあります。日常診療に携わる臨床医はほぼ全科で血管炎、特に肉眼で確認できる自他症状のある皮膚血管炎と遭遇する機会があるので、皮膚血管炎の概念と正しいアプローチを習得する必要があります。
一方、血管炎を伴わない血管炎類似疾患(vasculitis-likedisorders)は多様な原因による閉塞性病変または出血性病変を生ずるため、紫斑や網状皮斑、皮膚潰瘍などの皮膚血管炎と同様の臨床所見を呈します。しかし、両者の治療法はまったく異なることがあります。例えば、ステロイドの投与は血管炎類似疾患を増悪させることもあるので、両者の鑑別が重要になります。
今回の医療技術セミナーでは、皮膚血管炎と血管炎を伴わない血管炎類似疾患の概念と、その診断と治療のコツおよび落とし穴についての総論と代表的な疾患を挙げて解説したいと思います。すべての臨床医にとって大変役に立つセミナーですので、奮ってご参加ください。
 
ご注意:受講料の入金は、8月中旬に銀行口座が開設できますので、それまでお待ち下さい)
 

■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお
断り申し上げます)
10:00-12:00
総論:皮膚血管炎の概念と臨床所見、生検のコツ、病理診
断と治療のコツ、皮膚血管炎疾患の各論(前半)
12:00-13:00昼食・休憩
13:00-15:00
皮膚血管炎疾患の各論(後半)、血管炎を伴わない血管炎類似疾患の総論と各論、まとめ
 

進行プログラム
1.総論:最初は皮膚血管炎と血管炎を伴わない血管炎類似疾患の基本概念より導入し、それらの分類およびその臨床、検査所見と病理組織などの特徴的な所見より鑑別のポイントを解説します。更に確定診断となる皮膚生検の手技とコツについても述べたい。
2.各論:Churg-Strauss症候群、顕微鏡的多発血管炎などのANCA関連血管炎、Henoch-Schönlein紫斑、結節性多発動脈炎、べーチェット病、および側頭動脈炎などの原発性血管炎疾患と膠原病、感染症、薬剤性、腫瘍に伴う二次的血管炎の疾患を挙げて解説します。
3.各論:薬剤や感染症に伴う紫斑、血小板減少性紫斑、コレステロール結晶性血栓症、抗リン脂質抗体症候群、Calciphylaxisなどの血管炎を伴わない血管炎類似疾患をあげて、その臨床病理的な特徴および血管炎疾患との診断の鑑別点と治療の注意点についても解説します。
4.まとめ:皮膚血管炎と血管炎を伴わない血管炎類似疾患の基本概念と鑑別点のポイントの復習
 

セミナー要綱

セミナーNO. 117
開催日 2011年9月25日 10:00〜15:00
講師 ■陳科栄 先生(東京都済生会中央病院皮膚科 部長)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■9月25日に開催しました第117回医療技術セミナー「皮膚血管炎疾患と血管炎を伴わない血管炎類似疾患−診断と治療のコツと落とし穴」は盛会裏に終了しました。
講師は、東京都済生会中央病院皮膚科部長の陳科栄先生にお願いしました。
「皮膚は臓器の中でも血管炎を発症する頻度のもっとも高い臓器です。皮膚に限局するものもあれば全身症状として現れることもあります。内臓の血管炎と異なり、皮膚の血管炎症状は肉眼で確認ができ、簡易な皮膚生検によって、血管炎を迅速に確定診断できるので、早期の血管炎の治療につながる・・・・というのが血管炎の特徴でもあります」(広報用チラシから)とのこと。また、皮膚は体の中の臓器では一番大きい臓器であり・・・というお話もお聞きしたことがあります。
講義は、まず総論として、皮膚血管炎の概念と基礎的な臨床所見について、症例写真をたくさん供覧いただいて約1時間タップリと解説が行われました。皮膚血管炎は下腿に多く出て、侵される血管レベルによって異なる皮疹を呈するが、肉眼で容易に病変部の確認、および生検により確定診断を得ることができる。ただし皮膚限局のものもあれば、全身性血管炎の皮膚症状を表すものもある。膠原病、薬剤誘発性のもの、主要随伴性のもの、およびウイルスと細菌を主とした感染症・・などにみられる、ことを徹底して強調されました。お見せいただいた症例写真では、下腿に出た、紫斑、紅斑、丘疹、蕁麻疹様をたくさん見せていただきましたが、大きな火傷のようにも見え、これらをどう鑑別し診断するかは大問題で、医家の技能によっては見落としも多いのでしょうし、それはとんでもないことなんだ、と思います。
次に、各論に入られ、Henoch-Schoenlein紫斑、幼児急性出血性浮腫、特発性皮膚限局性血管炎(皮膚アレルギー性血管炎)…等々こまごまとした解説が続きました。また、皮膚血管年を伴わないけれど、皮膚血管炎と似た症状を呈するいくつかの疾病についても買いセルが行われました。
”皮膚血管炎”と事前に聞いて、ずいぶん狭い領域の話なんだな・・・と受け取られた向きが多かったのかもしれませんが、お聞きしていて、どうしてどうして、要するに全身疾患でした。あ、これこそ総合診療だな・・と実感しました。皮膚血管炎は、奥深い診療領域でした。
質疑応答では、若い先生が医学生の頃からどうしても疑問だった・・・という生検の具体的な手技や方法について、鋭い質問をされて、どうやら納得された様子でした。他にも確信を突く質問がたくさん出て、講師の陳先生も、「良い質問ですね」を連発され、時間が足りないくらいでした。
スキルアップのセミナーでは、他人に聞かれたら恥ずかしい・・・と思われるような内容でも質問できます。詳しい答えが必ず得られます。皆さん、ぜひ、おいでください。

■講師 陳科栄 先生(東京都済生会中央病院皮膚科 部長)
<略歴>
85年慶應義塾大学医学部卒業
89年同大大学院医学研究科博士課程(皮膚科学)修了
89年東京都済生会中央病院皮膚科勤務
91年米国・メイヨークリニック皮膚科に留学
93年川崎市立川崎病院皮膚科副医長
96年医療法人財団荻窪病院皮膚科部長
96年慶應義塾大学医学部皮膚科非常勤講師
02年〜03年台北医科大学皮膚科客員教授
05年東京都済生会中央病院皮膚科医長
07年東京都済生会中央病院皮膚科部長現在に至る
11年4月〜北里大学医学部客員教授
 
<著書と総説>
皮膚皮膚血管病変:概説、血管炎(中山書店)/肉芽腫性血管炎(中山書店)/アナ
フィラクトイド紫斑.臨床診断に苦渋する100の外来皮膚疾患.(メディカルレビュ
ー社)/紫斑から血管炎を診断するコツ(中山書店)/結節性多発動脈炎:カラ
ーアトラス皮膚病変から診る膠原病(全日本病院出版会)/Churg-Strauss症候
群、Wegener肉芽腫症.皮膚科診療カラーアトラス大系(講談社)/重症血管炎を
見抜くコツ.What‘sNewin皮膚科学(メディカルレビュー社)/アナフィラクト
イド紫斑「下腿に紫斑が出て血尿もある」.外来皮膚科ER最前線.(メディカルレビ
ュー社)/ChenKR、CarlsonJA:Clinicalapproachtocutaneousvasculitis.AmJ
ClinDermatol9(2):71-92.2008.他多数

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