痛み、しびれ、ふるえ、脱力の診かた
明日から役立つ外来診療のコツ
■講師 梶龍兒 先生(徳島大学HB研究部 感覚情報医学 臨床神経科学分野 教授)
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【セミナー概要】
痛み・しびれ・脱力はすべての診療科のなかで最も頻度の高い訴えの1つです。整形外科・脳外科・内科・神経内科・麻酔科などをはじめとする領域の外来診療で鑑別にまようことが多く、とくに“痛み”に関しては重大な疾患の可能性を含みます。また、“しびれ”についても独自のみかたをお話ししたいと考えております。神経内科医として数多くの患者を日常診療で診てきましたが、ハンマーやわずかな日常診療で用いる器具だけで的確に診断と治療を行う領域の教育に携わってきました。本医療技術セミナーにご参加いただくことで、画像や特殊検査に頼ることなく、日常の外来診療で、または新幹線や飛行機の中で突然発症した病態でも的確に処置を行える基本的な考え方を身に着けていただけます。
皆様、奮ってご参加ください。
第1部13:30−15:30
痛み・しびれ・脱力の鑑別
第2部15:30−17:30
症例を通して治療へ迫る
セミナー要綱
セミナーNO. | 113 |
開催日 | 2011年12月4日 13:30〜17:30 |
講師 | ■梶龍兒 先生(徳島大学HB研究部 感覚情報医学 臨床神経科学分野 教授) |
診療科目 | 総合診療系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■12月4日(日)に開催しました第113回医療技術セミナー「痛み、しびれ、ふるえ、脱力の診かた−明日からすぐに役立つ外来診療のコツ」は盛会裏に終了しました。
講師には、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部感覚情報医学臨床神経科学教授梶龍児先生をお迎えしました。昨年夏、ふるえの一症状である「ジストニア」をテーマにお引受けいただいて、今年の夏に設定させていただいていたのですが、お忙しいということで延びていた企画ですが、今回一年越しにようやく標記のタイトルで実現したわけです。また、一般の神経科学に”臨床”が付く神経科学とはいかなるものになるのかとっても楽しみにしていたものです。また、梶先生はお忙しくて時間が取れないということで、今回は海外出張の帰りに直接成田に飛んできていただいて、会場に駆けつけてくださったということで、13時半からの開催という変則的な開催ともあい成りました。
講義は、前半に「しびれ痛み」(”痛み”と”しびれ”は実際には同時に出ることが多いとの事で、このように変更・合体されました)、後半に「脱力」と「ふるえ」について、行われました。
梶先生のお話の中で幾度も強調されたのは「画像に頼るな、頭と目を使え」という点であり、特に印象的であったのは、診療にあたる心構えとして、尊敬するWilliamOsler先生からの教えとして「患者さんの言うことをよく聞きなさい」「予測されないことを予測しなさい」「(患者さんと)目線の高さを同じに!(心の目線も同じにしなさい!)」「平静の心(距離を置け!)」ということ。Osler先生のの3原則として、?患者は何が問題で(病院に)やってきているのか?それに対して何ができるのか?そうすることによりこの患者の将来・残りの人生はどうなるのか要するに医師として何が問われているのかを常に考えながら診療にあたることを考えなければならない。また、診療上のノウハウとして、「たかが手根管、されど手根管」「しびれの裏に糖尿病」「分単位で起るしびれ・めまいは危険信号」「治らない、分からない、でも諦めない」「日の単位・週の単位で悪化する筋力の低下も緊急事態」「分単位でおこる神経の症状−急性期脳卒中を疑え」ということ。
質疑応答も、会場からもネット受講者からもたくさん出て、なかなか途切れませんでした。
■講師 梶龍兒 先生(徳島大学HB研究部 感覚情報医学 臨床神経科学分野 教授)
【専門】神経電気生理学、筋萎縮性側索硬化症
<略歴>
79年京都大学医学部卒業
79年〜東京都養育院病院にて内科研修
81年〜京都大学大学院医学研究科
85年〜米国ペンシルバニア大学付属病院臨床フェロー、筋電図検査についてA.Sumner教授に師事(86年〜同客員教授)
87年〜米国ルイジアナ州立大学メディカルセンター助教授
88年〜京都大学医学部神経内科助手、(91年〜同講師)
93年〜京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学講師
00年〜徳島大学医学部附属病院高次脳神経診療部教授
02年〜徳島大学大学院医学研究科感覚情報医学講座神経情報医学(臨床神経学)分野教授
03年〜徳島大学医学部感覚情報医学講座神経情報医学分野教授
04年〜徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部感覚情報医学講座神経情報医学分野教授
08年〜徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部感覚情報医学講座臨床神経科学分野教授、
現在に至る
<役職>
世界神経学連盟(WFN)理事、日本神経学会理事、日本臨床神経生理学会理事、国際運動障害学会(MDS)理事、