心電図を読めるようになる(医師・コメディカルのための)
心電図を読み・見分けるスキルの向上をめざす
■講師 草間芳樹 先生(日本医科大学多摩永山病院内科・循環器科 教授)
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【セミナー概要】
心電図は日常の臨床現場において、循環器疾患の診療のみならず、病棟などでの日常チェック、心電図モニター、術前検査、術後管理などに多く活用されています.近年患者さんの高齢化に伴い心電図異常を有する症例が増えており、病棟、外来、手術室、検査室などで診療に携わる医療従事者(医師、看護師、臨床検査技師、臨床工学士など)は、担当領域にかかわらず心電図に関する基本的な知識と主要な心電図所見(特に見逃してはならない所見)を判読できる技能を身につけることが必要です.
今回の医療技術セミナーでは、心電図の基本なチェックポイント、具体的に心電図において認められる所見をどのように判読、診断していくかの課程を実践的に分かり易く解説します.また、初歩の初歩についてもおさらいを行います.
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております.奮ってご参加下さい.
ご注意:この医療セミナーの他に、この日の午前の医療経営セミナー「節税対策」にご出席いただける受講者には、昼食(弁当)をご準備する他に、割引を致します。また、前夜に開催します医療セミナー「血算はこう読む;後編」にご出席いただける方にも割引をさせていただきます。
■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断り申し上げます)
13:00-17:00(途中15分の休憩を予定)
1.心電図の基本について
2.P波の異常:P波の幅、高さ、形態をチェックする
3.PQ時間の異常:PQ時間をチェックする
4.QRSの異常
QRS幅の延長、脚ブロックについて
異常Q波(QSパターン)の有無と認められる誘導をチェックする
R波が高い.左室側誘導でR波の増高がある
R波が高い.右側胸部誘導でR波の増高がある
QRSの高さ(振幅)が低い
5.ST上昇:ST上昇のある誘導、上昇度、形態をチックする
6.ST下降-T波変化:ST下降、陰性T波、平低T波の有無をチェックする
7.T波が高い:T波の増高の有無をチェックする
8.QT時間の異常:QT時間の延長、短縮をチェックする
9.U波の異常:U波の増高、陰性化の有無をチェックする
10.P波の脱落:P波を欠くRR間隔延長の有無をチェックする
11.QRSの脱落:P波は認められるがQRSが脱落していないかチェックする
12.期外収縮など:P波、QRSが早期に出現していないかをチェックする
13.頻脈:QRS幅が正常で規則正しい頻脈/QRS幅が正常で不規則な頻脈
QRS幅が広い規則正しい頻脈/QRS幅が広い不規則な頻脈
14.徐脈:P波が認められる徐脈/P波が認められない徐脈/
セミナー要綱
セミナーNO. | 110 |
開催日 | 2011年7月10日 13:00〜17:00 |
講師 | ■草間芳樹 先生(日本医科大学多摩永山病院内科・循環器科 教授) |
診療科目 | 循環器科系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■7月10日(日)午後に開催しました第110回医療技術セミナー「医師・コメディカルのための心電図を読めるようになる」は盛会裏に終了しました。
講師には、日本医科大学多摩永山病院内科・循環器内科部長・病院教授であります草間芳樹先生にお願いしました。今回の企画は、「心電図の判読というのはどなたにも難しいようなので、基礎から分かりやすく・・・」とお願いをしました。「心電図の判読」のテーマは、一昨年の10月に、日本大学板橋病院循環器内科の笠巻祐二先生に「発作時の心電図の読み方」のテーマで開催してから、久方ぶりの開催です。
今回の講義では、特に具体的な事態や病態を想定せずに、心電図の波形をたくさん見ていただき、ああ、このパターンは○○の時のだ、とか○○の予兆だ・・・と、活用していただくことを想定して、スライドのデータ等をご準備いただき、解説もしていただきました。講義は、「心電図の基礎と基本的事項」としてから初めていただき、「心電図とは」「心臓の刺激伝導系」「心電図波形と名称」「心電図の誘導法」と続き、「心電図の基本的事項」としてP波、QRS、電気軸、QRS波形、移行帯、ST部分、T波、QT時間、U波、(J波)の解説が行われました。その後、「心電図判読時のチェック項目」として、17−22項目の解説が詳細に行われました。特に、心房細動・粗動、頻脈や不整脈、心不全、心筋梗塞等の対処に緊急性があるものやあわてなくても良い波形、ペースメーカー適応の症例、各種の薬物療法等について詳細な解説をしていただきました。また、心電図を読むための定規やディバイダもご紹介いただきました。
質疑応答では、皆さん自分の持っている症例についての質問や、ペースメーカー適応の症例、各種の薬物療法、特にアスピリン使用の効用と限界について等、質疑が続きました。
終了後は、受講者で検査技師さんが、講師の次の講演予定等を確かめたり、院内での仕事の流れについてのサゼッションを受けておられましたが、「今後心電図の判読に上達され、医師に判読結果や予測を的確にサゼッションできるように目標を高く持って頑張って下さい」と激励を受けておられ、ほほえましく感じました。
そういえば、あの検査技師さんは、所属されている病院の院長先生が最近、「『病院』がトヨタを越える日−日本が誇る医療産業を海外へ」という著書を出版されておられ、今の時代では珍しくユニークで元気の良い病院であると認識しておりましたが、お会いしてやはり元気の源を感じさせていただきました。
■講師 草間芳樹 先生(日本医科大学多摩永山病院内科・循環器科 教授)
【略歴】
79年3月日本医科大学卒業
79年6月1日日本医科大学内科学第1入局
87年8月1日〜1990年5月30日
留学:英国London市、St.Thomas病院、CardiovascularResearch
00年4月1日〜2003年9月30日日本医科大学内科学第1講師
03年10月1日〜2007年3月31日日本医科大学内科学第1助教授
日本医科大学多摩永山病院内科・循環器内科勤務
07年4月1日〜助教授から准教授へ呼称変更
09年7月1日〜日本医科大学多摩永山病院内科・循環器内科部長
10年4月1日〜日本医科大学多摩永山病院内科・循環器内科病院教授
【所属学会名】
日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心電学会、
日本集中治療学会、日本脈管学会、日本糖尿病学会、日本老年病学会
日本心血管インターベンション治療学会、日本成人病学会、日本医科大学医学会、
AmericanHeartAssociation、InternationalSocietyforHeartResearch
【学会役員、専門医、認定医】
日本心電学会評議員
日本循環器学会関東甲信越地方会評議員
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医、指導医
【著書】
再灌流と不整脈(分担)、新不整脈学南江堂81、2003
Viabilityの評価における負荷心エコー法:ドブタミン負荷(分担)負荷心エコー法
中山書店137、1997
再灌流不整脈の発生機序(分担)、心筋虚血再灌流傷害世界保健通信社、105、1994.