総合診療系

原発の放射能漏れ事故にともなう環境汚染と被曝による人体への影響

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ニュースを見ているだけでは分からないホントのところを学ぶ

■講師 浦島充佳 先生(東京慈恵会医科大学小児科 准教授 /総合医科学研究センター公衆衛生学 分子疫学 准教授)
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【セミナー概要】
<開催のねらいとお誘いの言葉>
去る3月11日に起こりました東北地方太平洋沖大地震と大津波により引き起こされました東京電力福島第一原発の放射能漏れ事故は、大気への放射性物質の飛散により、露地栽培の葉物野菜や飲み水、住環境に悪影響を与え始めるとともに、各種の風評被害も発生し、社会に深刻な影響を与えております。一方で、半径20Km圏ならびに30Km圏の住民の屋内退避や地域外への避難措置は長期化するに及び、住民の避難は他地域への移転・流出も始まっており、いつ何時、そうした住民が患者さんとして貴殿のクリニックの外来に訪れるかも分かりません。また、毎日毎日報道されている原発の事故現場に関するニュースや、各地で観測されている各種の食物や飲み水の測定値のニュースを聞いて不安を覚え、日常診療の際に疑問をぶっつけてこられる患者さんも今後増えるものと思われます。そうした問い掛けに貴殿はきちんと答えられますか
そこで、放射性物質による環境汚染と被曝による人体への影響等に関する正しい医学知識(大気・土壌・海水・食物・飲み水等の人体への影響等)とその限界・限度、実際の診療に当たって、押えておくべきノウハウを実地医家の皆様に持っていただくべく医療技術セミナーを急遽開催いたします。
この国難を力を合わせて乗り切りましょう。頑張ろう日本!!皆様、奮ってご参加ください。
18:30-20:30
 
チェルノブイリ原発事故との対比を中心に
・報道されていることの問題点、嘘と事実
・環境への影響
・人体への影響
・特に乳児・小児への影響、妊婦と高齢者への影響
・質疑応答

セミナー要綱

セミナーNO. 107
開催日 2011年4月16日 18:30〜20:30
講師 ■浦島充佳 先生(東京慈恵会医科大学小児科 准教授 /総合医科学研究センター公衆衛生学 分子疫学 准教授)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■4月16日(土)夜に、緊急特別企画として開催しました第107回医療技術セミナー「原発の放射能事故にともなう環境汚染と被曝による人体への影響−ニュースを見ていても分からないホントのところを学ぶ」は盛会裏に終了しました。
3月11日午後に起きました東北地方太平洋沖大地震と大津波、それによる東京電力福島第一原発での事故は深刻な問題となり、発生から約1ヶ月を過ぎても今もなおニュースで大きく取り上げられ続け、国民の耳目をひきつけており、避難指示等をめぐって不安も広まりつつあるところで、今回のセミナーのテーマはとってもホットでタイムリーな企画となり、多数の方にお集まりいただきました。
講師は、東京慈恵会医科大学小児科/医科学研究センター臨床研究開発室分子疫学の准教授であります浦島充佳先生をお招きしました。浦島先生のご専攻は、疫学、腫瘍学、公衆衛生学ということで、3月24日夜の8時からNHKで放送されました国谷キャスターの『クローズアップ現代』に出演されていましたのを偶々見かけて、「この方だ!」と思い、お声を掛けさせていただき、快くお引受けいただきました。その後、内閣官房危機管理官アドバイザーというとんでもない肩書きまでお持ちになっておられる方だったことが分かった次第でした。企画者としても正直驚いております。なお、連休前には、今回の問題をまとめた著書が出版されることになっているとのコトです。
講義は、86年に旧ソビエトのキエフ近くで起きたチェルノブイリ原発事故と対比しながらの解説となりました。稼働試験中に原子炉が爆発したチェルノブイリでは、福島と違って発生後の8日間で事故の大元を納めたすばやい対応が行われました。が、風に乗って流された放射性物質はヨーロッパ諸国や周辺国、ソビエト国内でも大きな影響を及ぼすことになりました。汚染は現場から決して同心円的に広がったのではなくて、連日の具体的な風の方向や強さによる拡散が原因であったこと。また、小児の甲状腺に癌が多く出たのも、汚染された生乳を捨てずに知らぬ間に乳製品へ転用使用されたことに気が付かずに法的規制が遅れたことによる発生であるとのこと。あと1点、汚染物質は色んなところに降るわけですが、特に森に降ることが問題で、長期間にわたって蓄積され、キノコ等の菌類や地下水にまで浸透・吸収され、色んな悪影響を及ぼすことになる、とのことで実際に多発している地域もご紹介いただきました。
翻って、福島原発でここ1ヶ月間に起きていることから類推すれば、3月15日の早朝に2号炉で起きた爆発が非常に問題で、その時点から空気中に溶け出したヨウ素やセシウム(この2つの物質が特に問題で、ストロンチウムは近辺にしか飛び散らないので!)が、当初知らないうちに風に乗って飛散してしまっていることが問題を大きくしているようだが、現在のところは人体に大きな影響を及ぼす程度の汚染ではなさそうだ(生乳や露地栽培の葉物野菜への汚染等は程度問題であり、期間的には長くは続かないであろう;また海に流れ出しても薄められ、かつ広がってしまいそう大きな問題にはならないとも言える程度か)。また、放射性物質も、机上で言われているよりは、実際の環境や体内では早く減弱してしまうようである。汚染はそれ程心配はない。逆に、これから心配なのは、放射線恐怖症や精神的不安症の蔓延の方であり、早急に有効な対処が必要となろう。福島の地も、菅首相が先日述べたという「20年は住めない」ということはなく、もっと早く住めるようになるし、そうするべきだ、とのことでした。とにかく、原発の炉心や汚染された廃液等そのものは早急に封じ込めていただかないと何も始まらないので、対処を待ちたい。
質疑応答では、福島県から5名の方が参加されておりましたが、原発から40Kmの圏内で開業されておられる先生2名から迫力のある質問がたくさん出ましたが、チェルノブイリの事例を引き合いに出されつつ、科学的なエビデンスを示されながら、明快に安全性についてお答えになられました。結局、質疑は時間切れになる遅くまで続き、残って質問を続ける方も数人おられました。
受講者の方々が残されたアンケートには、「分かりやすくてよかった。いろいろな面で安心できました」「大変勉強になった。放射線恐怖症にならないように周りにも伝えたい」「具体的で明快な講義でありました」「タイムリーな講義であった」と、いつもよりたくさん残されておりました。
有意義な医療セミナーになり、かつ、無事に終了し大変良かったデス!!今回は”大震災の復興支援”ということで出来るだけ普及したいと考えますので(復習用の)DVDだけの販売に応じます。ぜひお問合せください。
 
ところで、上記のセミナーが終了した後に、追加の質疑が行われました。短いので、全文を追記させていただきます。
Q:4月21日朝のモーニングバードでセシウムは筋肉に蓄積するので、筋肉癌は無いから癌になる事は無い、と言っていましたが筋肉には筋肉肉腫が有り、結局癌になるのではないでしょうか
A:筋肉癌はない。というのは明らかな間違いです。横紋筋肉腫というのがありますので。セシウムは筋肉だけに集まる。これも間違い全身に分布します。とのことです。

■講師 浦島充佳 先生(東京慈恵会医科大学小児科 准教授 /総合医科学研究センター公衆衛生学 分子疫学 准教授)
<略歴>
86年3月東京慈恵会医科大学卒業
5月東京慈恵会医科大学附属病院長
直属の研修医として小児科で
研修開始
88年3月初期臨床研修修了
4月東京慈恵会医科大学小児科学
講座医員、東京都立北療育医療
センター小児科派遣
89年7月同上復帰、東京慈恵会医科大学
小児科学講座助手
93年5月医学博士の学位取得
94年4月米国・ハーバード大学留学
97年4月同上帰国
5月東京慈恵会医科大学附属病院
小児科准診療医員(無給)
6月同上診療医員
99年6月米国・ハーバード大学留学
00年6月MasterofPublicHealth取得
9月同上帰国
10月東京慈恵会医科大学薬物治療学
研究室助手
東京慈恵会医科大学附属病院
小児科兼任
01年9月臨床研究開発室兼任
11月薬物治療学研究室講師
05年11月臨床研究開発室准教授
06年4月臨床研究開発室室長
現在に至る
 
<所属学会>
日本小児科学会
日本血液学会
日本癌学会
日本小児保健協会
日本薬剤疫学会
 
<社会的活動>
内閣官房副長官補による委嘱
平成18年9月28日〜現在
内閣官房より講師を依頼
平成18年10月11日〜現在
内閣官房危機管理官アドバイザー
国立環境研究所より委嘱
・地球温暖化会議
平成19年5月15日〜6月5日
WHO(マニラ):
1.GlobalEnvironmentalChange
andHumanHealth、
2.MillenniumEcosystemAssessment

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