総合診療系

”めまい”のプライマリケア

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脳卒中の予測の鑑別を中心に

■講師 城倉健 先生(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 副病院長)
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【セミナー概要】
毎日多数の患者がめまいを主訴に来院します.急性発症しためまいの場合、来院する患者の多くは脳卒中を心配しています.ところが実際にはめまいの原因が脳卒中である確率は極めて少なく、わずか数パーセントにすぎません.したがって、実際のめまい診療では、脳卒中などの中枢性めまい疾患の専門知識を念頭に置きつつ、ほとんどの患者に対し末梢性めまい疾患の診療を行うことになります.つまりめまいを診療するためには、中枢性めまい疾患と末梢性めまい疾患のどちらの専門知識も同じように身に付けておく必要があるのです.また知識ばかりではなく、悪心、嘔吐に苦しむ患者を正確に診断するためには、患者に負担をかけない的を絞った効率的な診察法も必要となります.実際、効率的な診察法を知らなかったばっかりにめまい、悪心、嘔吐で動けない患者に対し、詳細な診察をためらった経験はどなたにもあると思います.
高齢者でしばしばみられる特異的所見を伴わない慢性めまいは、多くの場合「年のせい」と考え、診断と治療に向けてのアセスメントをせず、様子をみてしまいがちです.しかしながら、高齢者にとってのめまいは直ちに転倒につながり、場合によっては骨折して寝たきりになったりもします.こうした高齢者の慢性のめまいも科学的に診ることで原因が特定できる場合が多く、複数あることの多い原因を一つ一つ解決することで、患者のADLを上げることができます.
皆様奮ってご参加いただければ幸いです。
13:00-15:00
1.体平衡維持のしくみ

めまい平衡医学に必要な基礎的解剖や生理、検査法などについて
2.末梢性のめまい
最も頻度の高い良性発作性頭位めまい症を中心に、末梢性めまいについて
 
15:00-15:10休憩
 
15:10-17:00
3.中枢性のめまい

脳卒中を中心とした中枢性めまいについて
4.高齢者の“原因不明”のめまい
高齢者の非特異的な原因不明のめまいについて、そのめまい本当に年のせい

セミナー要綱

セミナーNO. 87
開催日 2011年1月30日 13:00〜17:00
講師 ■城倉健 先生(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 副病院長)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■1月30日に開催しました第87回医療技術セミナー「”めまい”のプライマリケア−脳卒中予測の鑑別を中心に」は盛会裏に終了しました。
講師には、平塚共済病院神経内科部長/脳卒中センター長をお迎えしました。
”めまい”は実地医家、特に内科の医師にとって”頭痛”と同じ程度に訴えが多くて多様な疾患だそうですが、逆に医家の側の感想としては”診たくない疾患”のトップに位置し、神経内科医の中でも”めまい”をきちんと診れる方は少ないのだそうです(”頭痛”はここ数年なぜか社会的に脚光を浴びている、とのこと)。城倉先生は、めまいを脳卒中との関係で専門的に研究されておられている方です。
講義の前半では、?めまい平衡医学の前提として必要な基礎的な解剖や眼球運動等の生理学の知識、EOGとVOGという検査法などから始まり、?最も頻度の高い良性発作性頭位めまい症(BPPV)を中心に末梢性のめまいについて解説が行われました。特に、中枢性のめまいと末梢性のめまいの違いや現れ方。BPPVについては耳石のかけらが半規管のどの位置にあるかによって現れる症状、眼振の方向の違い、実際の動画、治療法であるEpley法とその亜形のSemont法、Lempert法、Vannucchi法の治療法の解説をしてくださいました。また、メニエール病もこのカテゴリーの疾患であるとのことで、めまいを訴えて見える方の5〜6%がこれだそうです。
講義の後半では、?脳卒中を中心とした中枢性のめまい、?高齢者の非特異的な原因不明のめまいを取り上げていただきました。特に、?めまいでは多くの方が脳卒中や脳梗塞などを心配して来られるが、実際に脳幹や小脳で異常が見つかるのは数%でしかない。ただし、患者の訴えで、?手や足、顔面の動き難さやしびれ感、?呂律が回らない、モノが二重に見える・・・・時は要注意ということ。
城倉先生は、めまい診療の現状を「ただでさえよくわからない上に、診察もろくにさせてもらえず、そうこうしているうちに自然と良くなってしまう」と表現されました。
質問も、会場からもネット受講者からもたくさんあり、最後は、要望により、Epley法とSemont法、Lempert法、Vannucchi法等の治療法の実演をお願いしてしまいましたが、BPPVの約半数はその場で治ることが多いとのことでした。スゴイ!!

■講師 城倉健 先生(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 副病院長)
<専門>
めまい平衡医学、脳卒中医学
<略歴>
1990年に横浜市立大学医学部卒業.
横浜市立大学付属病院や松戸市立福祉医療センター東松戸病院、横浜市立大学付属市民総合医療センターなどに勤務し、臨床研究を行いつつ、東京医科歯科大学耳鼻咽喉科と、動物を用いた脳幹の眼球運動中枢の神経解剖学的研究に携わる(この間に日本神経眼科学会学術賞などを受賞).
2002年から平塚共済病院神経内科部長、2005年から同病院脳卒中センター長を兼任.
2014年4月1日から横浜市立脳卒中・神経脊椎センター副病院長、脳卒中・神経疾患センター長、神経内科部長
 
<学会活動>
神経内科専門医・代議員
脳卒中専門医・代議員
内科認定医・指導医
めまい平衡医学会専門会員・代議員・めまい相談医
神経眼科学会評議員・学会誌編集委員・神経眼科相談医
神経治療学会評議員
横浜市立大学客員教授
 
<著書>
「めまい診療シンプルアプローチ」医学書院(2013年)

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