消化器科系

ウイルス性慢性肝炎(B、C型肝炎の最新治療)と脂肪性肝疾患(NASH)の診断と治療

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■講師 徳重克年 先生(東京女子医科大学消化器センター 准教授)
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■講師 小木曽智美 先生(東京女子医科大学消化器センター 助教)
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【セミナー概要】
C型肝炎とB型肝炎の抗ウイルス療法の進歩は近年目覚しいものがある。治療ガイドラインも作成され、治癒により病態の進展を阻止することが可能となってきた。今回の医療技術セミナーでは、これをわかりやすく解説し、肝臓専門医と連携して治療をすすめることを目的とする。また、2010年より国が進めている助成制度に関しても解説する。
脂肪肝に関しては、食生活の欧米化、運動不足により近年日本で増加の一途をたどっている。特にその進行形である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が確立され、その拾い上げ・治療法が問題となっている。NASHの診断をわかりやすく解説し、どういう患者に肝生検まですすめるべきか、またその治療法に関しても概略する。
奮ってご参加ください。
10:00-12:00脂肪性肝疾患(NASH/NAFLD)
小木曽智美先生

脂肪肝は、食生活の欧米化、運動不足により増加の一途をたどっている。非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholicfattyliverdisease;NAFLD)は、非アルコール性脂肪性肝疾患の総称で、ドック受診者の15-30%に認められる。そのNAFLDの中の約1割に進行する病態である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が存在する。NASHの診断は、まずNAFLDを診断し、その後肝生検にてNASHと診断する。NASH診断の問題点は、血清診断マーカーがないことと、診断に肝生検を必要とすることである。脂肪肝で、肥満や糖尿病の歴史の長い高齢者、高度の肥満、糖尿病、AST/ALT比1以上、血小板低値、肝機能低下、線維化マーカー上昇を認める人は進行したNASH(NASH肝硬変)の可能性が高く、肝生検などの精査目的に専門医への受診が必要である。また、NASHの治療は、合併する肥満や生活習慣病の治療が基本で、適宜薬物療法を加えるべきであるが、それらの詳細について解説する。
 
12:00-13:00昼食・休憩
 
13:00-15:00ウイルス性慢性肝炎徳重克年先生
B型C型肝炎ウイルス感染では、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌と病態は進行する。B型あるいはC型肝炎ウイルスの感染率はどちらも人口の約1%で、進行し末期肝硬変にいたるまで症状がないことが多い。血小板値から線維化の進行度を推測することが推奨されている。血小板が正常範囲であれば慢性肝炎は病初期で、10万以下であれば肝硬変と推定できる。治療に関しては、B型肝炎では核酸アナログとインターフェロンによる抗ウイルス療法が中心となり、病態の進行抑制が可能となった。C型慢性肝炎では、種々のインターフェロン療法が行われ、約60%の症例でウイルスが排除され完全治癒となる。ウイルス性肝炎では、治療ガイドラインが作成され、ウイルス量や型により、インターフェロン治療法・併用薬の選択が決定されている。より良い医療を目指し、専門医との協力による治療の導入が大切であると考えられる。

セミナー要綱

セミナーNO. 85
開催日 2011年1月16日 10:00〜15:00
講師 ■徳重克年 先生(東京女子医科大学消化器センター 准教授)
■小木曽智美 先生(東京女子医科大学消化器センター 助教)
診療科目 消化器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■1月16日に開催いたしました第85回医療技術セミナー「ウイルス性慢性肝炎治療の現状と脂肪肝・NASHの診断と治療」は盛会裏に終了しました。ありがとうございました。
講師には、午後の「ウイルス性慢性肝炎」は東京女子医科大学消化器内科准教授徳重克年先生に、午前の「脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)」は同じく助教小木曽智美先生にお願いしました。
午前の講義では、「脂肪性肝疾患」には、非アルコール性脂肪性肝疾患・障害(NAFLD;Nonalcholicfattyliverdisease)と非アルコール性脂肪肝炎(NASH;NonalcholicSteatohepatitis)、アルコール性脂肪肝(Ash;AlcholicSteatohepatitis)等の種類があり、各々の診断について解説がなされた後、食事療法、運動療法、薬物療法について詳しい解説がなされました。要するに、”食べ過ぎず、体重を落とすこと”の重要性が強調されました。
脂肪肝等の病態は、血液等の検査ではメルクマールが無くて、なかなかきちんとは分からず、”生検”をしないと実際の状態が分からない・・・・処から診断と治療が始まる難しい病気であると受け止めました。
午後の講義では、現在のB型肝炎のキャリアーが100万人、C型肝炎のキャリアーが150万人であることが冒頭のお話にあり、その後C型肝炎、B型肝炎の診断と治療と治療薬について、また新たな助成金制度と保険金制度についての詳しい解説が各々行われました。このお話は”現状”ではなくて、”到達点”についてお話をいただけたことになります。
C型肝炎やB型肝炎の領域では、原因訴訟や国の補償問題等で、ここ数年に随分進展があるようですが、病気としても一日も早くなくなって欲しいものですね。(実は、私も小学校時代には、予防注射の針を代えずに、同級生や友達数人で廻し打ちをされた世代です。よく感染しなかったものですが、本当はどうなんでしょうね)。
質疑では、午前中が約一時間、午後も約40分間も続きましたが、質問の多さに恐らく講師の方は驚かれただろうと思います。受講者からのアンケートには、「大変簡潔でまとまった講義だった」「とっても明快な講義で、一昨年10月の武蔵野日赤の泉並木先生等の講義と合わせてみると、一冊の本を読んだようだ。素晴らしかった」とのご意見が寄せられました。
講義の全体の印象では、私の肝臓もエコーで診ていただくと真っ白に見えるのだそうですが、小木曽先生のお言葉によると、そうした状態になっても”危機感が無さ過ぎる!!治療と節制にもっと真剣に取り組んで欲しい!!”ということで、私も反省これしきり、デシタ。気をつけます。
 

■講師 徳重克年 先生(東京女子医科大学消化器センター 准教授)
84年筑波大学医学専門学群卒業
84年東京女子医大消化器内科入局
93−95年米国マサチューセッツ総合病院留学
96年東京女子医大消化器内科帰局
03年消化器内科講師
10年消化器内科准教授、現在に至る
 
学会;日本内科学会認定医、指導医
日本消化器病学会学会評議員、専門医、指導医
日本肝臓学会評議員、専門医
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■講師 小木曽智美 先生(東京女子医科大学消化器センター 助教)
97年東京女子医科大学医学部医学科卒業、東京女子医科大学消化器内科に臨床研修医として入局
99年至誠会第二病院消化器内科勤務
00年さいたま市立病院消化器内科勤務01年東京女子医科大学消化器内科助手
03年国立国際医療センター厚生労働技官06年東京女子医科大学消化器内科助手、カリフォルニア大学サンディエゴ校分子生物学教室ポスドクとして留学
09年東京女子医科大学消化器内科助教、る
 
02年日本内科学会内科認定医
消化器内視鏡学会認定専門医

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