在宅医療・訪問医療系

在宅医療−午後から地域へ;エキサイティングな医療の薦め

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これから在宅医療を始める実地医家のために;在宅医療は医療者としての当たり前のやりがいをかみしめることができるエキサイティングな医療です

■講師 太田秀樹 先生(医療法人アスムス 理事長/おやま城北クリニック 院長)
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■講師 村井邦彦 先生(宇都宮市・村井整形外科/自治医科大学麻酔科 非常勤講師)
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【セミナー概要】
「うちの婆さん、足腰弱って、病院さ連れて行けなくなった。だけんど、入院させるほど、悪かねえ。どしたらよかんべか」。外来でこんな相談が増えています。身体運動機能が低下して、通院で診るのが難しくなった患者は、これからますます増えます。そんな時、気軽に往診に応じることができれば、“動く医療”へのニーズは地域に埋もれています。
介護保険制度サービスも充実しつつあります。有能な訪問看護師とチームを組めば、在宅で終末期まで支えることは、さほどたいへんなことではありません。
患者の住む家を訪れてみると、外来診療だけでは知ることのできない気づきがたくさんあります。患者さんの暮らしをみないで医療をやってきた危うさを感じることもあります。在宅医療はけっして厄介な医療ではなく、医療者としての当たり前のやりがいをかみしめることができるエキサイティングな医療です。出前医者19年の語り部として、在宅医療の魅力をお伝えしたいと思います。
皆様、ぜひご参加ください。
 
10:00-12:00在宅医療の魅力と考え方;午後から地域へ
午後からちょっと往診にでかけてみようかと、思えるような在宅医療の魅力を伝えます。
 
12:00-13:00昼食・休憩
 
13:00-15:00無床のひとり診療所が始めた在宅療養支援診療所立上げの実際;村井整形外科の場合
今年から新たに在宅医療に取り組んでいる村井整形外科での事例をご紹介し、在宅療養支援診療所の届け出の内容とその準備、地域の他の施設との連携、主な診療報酬請求の構成、夜間休日対応の実際について実例を交えてお話を進めてまいります。また、東京での在宅医療の経験・栃木県宇都宮市での新規立ち上げを通じて、都会と地方都市での在宅医療の形態の違いや問題点についても触れてまいります。
これから在宅医療を始めようという先生方は実は少なくないと思いますが、届け出の仕方、訪問看護ステーションなどとの連携作り、後方病院の確保、診療報酬請求の煩雑さ、24時間対応の困難など、を考えると手が出しにくいのだろうと思います。また、在宅医としての視点から見えてくる地域医療の理想と現実のギャップについてもお話ができると思います。今回のセミナーでは私の現在進行形の取組みをご紹介し、これから在宅医療を始めるかもしれない先生方、ご自分が在宅医療をしなくても在宅医との連携が必要な先生方にとって有意義なプログラムです。ぜひご参加ください。

セミナー要綱

セミナーNO. 81
開催日 2010年12月5日 10:00〜15:00
講師 ■太田秀樹 先生(医療法人アスムス 理事長/おやま城北クリニック 院長)
■村井邦彦 先生(宇都宮市・村井整形外科/自治医科大学麻酔科 非常勤講師)
診療科目 在宅医療・訪問医療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■12月5日(日)に開催しました第81回医療技術セミナー「始めよう!在宅医療;午後から地域へ−これから在宅医療を始める方々のために(事例報告付)」は盛会裏に終了しました。
講師は、社団法人全国在宅医療支援診療所連絡会事務局長で、医療法人アスムス理事長・おやま城北クリニック院長の太田秀樹先生と村井整形外科・自治医科大学麻酔科非常勤講師の村井邦彦先生にお願いしました。特に太田秀樹先生は、約20年前の’92年に”在宅医療”という概念を誰も思いもしなかった時代に在宅医療を始められた草分けの方で、今や日本の医療政策、そして医師会の政策や方針に影響力を持っておられる第一人者であろうかと考えます。この夏、日本医師会雑誌139巻・特別号(1)として「在宅医療;午後から地域へ」が発行されましたが、太田先生は編集協力人としてお名前が載っておりますが、実はこれが大いに売れているのだそうです。なお、この日の企画は、8月1日に、「緩和ケア・がん疼痛医療」でお世話になりましたわたクリニックの首藤真理子先生のお力添えによるものであることを明記して謝辞に代えさせていただきます。ありがとうございました。
太田秀樹先生の午前の講義は、「在宅医療の魅力と考え方」とのテーマでした。日本の人口は出生率1.3で”少子化”の現象に歯止めが掛からない一方で、高齢化がますます進み「1人生まれて2人が死んでいく」状況であり、地方はともかく都市部ではものすごい勢いで高齢者が増えていること。また”病院死”率が、アメリカ40%、オランダ35%というのに、日本では85%という高い状況で、医療費の負担になっており、国の医療政策としても介護や保険を充実させる一方で、高齢者を病院から自宅に戻し、自宅で看取らせる方向に進んでいること。大げさに言えば「今や日本人としてどんな生き方をしてどう死ぬのか」が問われていること。医療としても、もっと”高齢者医療”を医療の中心に置いてしかるべきだとの主張。特に”団塊の世代”の800万人が死を迎えることになる’25年前後は問われることになるであろうとのお話の後、自称”出前医者”として、実際に訪問医療・看護の中身について詳しい解説を加えられましたが、とっても興味ある内容となりました。あと、付け加えるべき先生の主張としては、?医者は専門医化してしまっている、?医者は病院やクリニックで外来ばかりしていて「患者さんの生活が見えていない。病気を治すには積極的に出かけて行って患者の実際の生活を知って、生活まで直さないと治療にはならない。その点、在宅医療はエキサイティングな、医療者として喜びを持てる医療なんです」という言葉が、強く印象に残りました。
午後の村井邦彦先生のお話は、この夏、実際に在宅療養支援診療所を立ち上げられた経験を基に、法律的な手続きと各種申請の書式、診療カバンの中身(揃えるべき用具や備品)、連携のネットワーク、医療保険と介護保険との使い方や組合わせ方、いくつかの診療・看護ケース等についての解説の他に、以下の2点を強調されました。?在宅医療というのは24時間・365日体制で・・というので、休む暇も無い・・・というイメージに恐れをなしている方々も多いと思われますが、恐れることは無い、ちゃんとシステムを作って連携する医者集団と有能な看護師さんを始めとするスタッフを揃えれば、時間はうまく使えます。?前項との関連もありますが、患者さんの死期の予測と対応で、うまい対処の方法と「死亡診断書」の書き方が必要だし出来るとのこと。
午前と午後の質疑でも、結局は、先の2つの力点に議論が集中して盛り上がり、ネット受講者からの質問は、宿題となってしまう程でした。
受講者の一人は、’92年に「老人保健法」、00年に「介護保険制度」が出来て、この領域に手を出しても何とか食べていけるようになったと聞くが、今日のお話は面白かった。私もちょっと手を出してみようかな、という言葉を残して帰られました。
家族の介護を自宅でしている私も「人間はいつか死ぬもの」の実感を覚えました。いかに死すか!考えさせられましたね。今日のお話も感動!デシタ。

■講師 太田秀樹 先生(医療法人アスムス 理事長/おやま城北クリニック 院長)
53年奈良市生まれ。
79年日本大学医学部卒、自治医科大学大学院修了後、同大整形外科医局長、専任講師
92年在宅医療を旗印におやま城北クリニック(栃木県小山市)開設、医療法人アスムス理事長
 
医学博士。日本整形外科学会認定専門医。麻酔科標榜医。介護支援専門員。結城市医師会理事、明治大学法学部非常勤講師、日本在宅医学会幹事、全国知事会頭脳センター委員、(社団法人)全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長

■講師 村井邦彦 先生(宇都宮市・村井整形外科/自治医科大学麻酔科 非常勤講師)
70年東京生まれ
95年3月東京医科歯科大学医学部卒業
97年7月東京都多摩老人医療センター(現多摩北部医療センター)麻酔科
98年9月東京都立広尾病院麻酔科
01年12月東京医科歯科大学病院麻酔・蘇
生・ペインクリニック科助手
04年4月東京医科歯科大学病院麻酔・蘇生・
ペインクリニック科医局長
06年4月自治医科大学大学院医学研究科入学地域医療学系麻酔・救急・集中治療医学専攻
10年4月自治医科大学麻酔科非常勤講師、現在に至る
 
著書(抜粋):
がん疼痛緩和ハンドブック.村井邦彦、横山和明(編)槇田浩史監修.東京、中外医学社、2007.
高橋昭彦、村井邦彦、首藤真理子(編)粕田晴之監修;こうすればうまくいく在宅緩和ケアハンドブック・東京中外医学社2009.

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