内分泌代謝内科系

低血糖にならない糖尿病の最新の薬物療法の実際

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インクレチン関連薬をいかに安全に使いこなすのか

■講師 栗林伸一 先生(船橋・三咲内科クリニック 院長)
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■講師 内田大学 先生(木更津・ほたるのセントラル内科 院長)
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【セミナー概要】
昨年末からDPP-4阻害薬が、この夏には注射薬のGLP-1受容体作動薬が処方可能となりました。これらインクレチン関連薬という新しい作用機序の薬が臨床現場に登場したことにより、糖尿病の薬物治療もいよいよ新時代に入った感があります。そして、今までは難しいとされてきた血糖コントロールの「優」や「良」も比較的容易に達成できる状況までになって来ました。しかし、一方ではSU剤との併用で予期せぬ「低血糖昏睡」が起こることが報告され、注意喚起がなされる事態になっております。
どのような注意をしたらこれらインクレチン関連薬を安全に使えるでしょうかまた、ラインナップが大幅に増えた糖尿病治療薬の中から、まず第一にどんな薬を選択し、次にどんな薬を加えるべきかが新たなテーマになっています。
そこで今回の医療セミナーでは、インクレチン関連薬においても既にたくさん処方してきた経験豊かな二人の医師に講義と解説をお願いしました。明日からの診療にすぐにでも役立つ内容を詳しく解説し、皆さまの様々な疑問にも答えてゆきたいと思います。皆様、ぜひご参加ください。
■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断り申し上げます)
10:00-12:00第1部:糖尿病薬はどう選ぶべきか
(糖尿病治療薬選択の基本)
講師:栗林伸一先生

最近の疫学調査によると、発症早期から血糖を厳密に管理すると、細小血管症の予防や進展阻止だけでなく大血管障害の予防や生命予後の改善につながることが分かってきました。一方で、病歴が長く、合併症が進行している場合に急速に厳格な血糖管理を行うと、心血管イベントが増加して生命予後がかえって悪くなることも分かってきました。そこで、まず個々のHbA1cの目標値や達成するまでの期間について考えてみます。
次に、2型糖尿病においても生活習慣の改善だけではうまくコントロールできない場合は多々あります。その場合、できるだけ病態に即した治療薬を選択することになります。2型糖尿病に関わる病態には「糖毒性」、「インスリン抵抗性」、「インスリン分泌不全」といった従来の概念に加え、「インクレチン効果不全」という新しい概念も加わってきました。そこでこの講義では新しい概念も取り入れた糖尿病治療薬の選び方について解説します。
12:00-13:00昼食・休憩
 
13:00-15:00第2部:どの薬から始め、何を加えるか
(治療薬選択の実際と併用時の注意)
講師:内田大学先生

従来から糖尿病薬を選ぶとき、インスリン抵抗性が強い場合にはビグアナイド薬やピオグリタゾンが、食後高血糖改善を期待する場合にはαグルコシダーゼ阻害薬やグリニド薬が、インスリン分泌不全が強い場合にはスルフォニル尿素薬やインスリン注射が使われてきました。しかし、新しいインクレチン関連薬の登場で必ずしもその方式にこだわらない事態が起こってきました。特にDPP-4阻害薬は食事時間に関係なく1日1〜2回の服用でインスリン分泌不全を補い、単独では低血糖も起こさずに食後血糖を改善し、実験動物では膵β細胞の保護作用も確認できていることから、臨床現場でも存在感を増してきています。しかしSU剤との併用で「重症低血糖」が起こることも知られ、注意が喚起されています。GLP-1受容体作動薬も含め、まずどの薬から始め、次に何を加えていくか、また併用するときにはどのような注意をしていけば良いかについて実際の症例を提示しながらお話します。

セミナー要綱

セミナーNO. 78
開催日 2010年11月14日 10:00〜15:00
講師 ■栗林伸一 先生(船橋・三咲内科クリニック 院長)
■内田大学 先生(木更津・ほたるのセントラル内科 院長)
診療科目 内分泌科代謝系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月14日に開催しました第78回医療セミナー「糖尿病の最新の薬物治療の実際−インクレチン関連薬をいかに安全に使いこなすか−」は盛会裏に終了しました。特に、この11月14日は国連が定めた「世界糖尿病デー」にあたる日であるということを偶然知りました(朝出がけに、朝日新聞紙上で”インクレチン”の研究者であります京都大学名誉教授の清野裕先生の顔写真入の記事を見ました)が、良い機会になったようです。
さて、本邦では隠れ患者・予備軍を含め約2210万人の糖尿病患者が存在するといわれておりますが、このセミナー企画の意図は、画期的といわれる新しいタイプの薬剤であるインクレチン関連の糖尿病治療薬が2種類、昨年暮れからDPP-4阻害剤が、今年夏からはGLP-1受動態作動薬が発売になり、それらを中心とする薬物治療の進展の動向の整理と、一方で過度の低血糖や高血糖による事故も伝えられており、今後どうすれば、いかに安全にこれらの薬剤を使いこなせるのか・・・という点での真剣な勉強会ということになりました。ただし、この間製薬会社を中心に多くの勉強会が開催されているようですが、弊社のセミナーは、「あの薬は効かないよ」という類の、製薬企業主導のセミナーでは決して聞けないお話しも聞ける点で画期的であり、お二人の講師の先生にも、この日はホンネで語っていただけました。
講師は、午前の「糖尿病治療薬選択の基本」を船橋市・三咲内科クリニック院長栗林伸一先生に、午後の「治療薬選択の実際と併用時の注意」を木更津市・ほたるのセントラル内科院長内田大学先生にお願いしました。
栗林先生は、昨年暮れからDPP-4阻害薬が、本年夏からGLP-1受容体作動薬が臨床現場に登場したことにより糖尿病の薬物治療の新しい時代に入り、血糖コントロールが比較的容易に出来るようになった一方で、DPP-4剤はSU剤との併用で予期せぬ低血糖昏睡がおきたり、GLP-1剤による高血糖昏睡が起きたりして注意を喚起される事態になっているが、何が原因でどんな注意が必要かを解説された後、安全に使うためには、病態に併せてどう使うか、第一選択薬をどの薬剤にし、次にどんな薬を加えるべきか等の詳細なお話が行われました。中で記憶に残ったのは、肥満気味だからと2型だと判断していた中に、結構1型がまぎれていることもあるという事実で、医療事故の原因もこの辺に起因することもあるとのことでした。
内田先生は、DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬を使った場合と、肥満だけでなく、最近多い肥満でない病態の事例、糖毒性の強い事例、薬剤の組合わせによる事例等、色々と14もの症例を呈示され、明快で滑らかな語り口での、解説でありました。午前、午後とも大幅に時間が超過してしまいましたが、特に午後分はネット受講者からの質問を大幅に積み残してしまい、閉会を宣言した後、内田先生にはテレビカメラに向かい約20分間、約12の質問に対して真剣にお答えいただきました。ありがとうございました。
受講者の中には、最後の最後まで真剣に聞いて居られた方が居られ、「薬剤であるDPP-4阻害薬の使い方がよく分かった」との感想を残して帰って行かれました。

■講師 栗林伸一 先生(船橋・三咲内科クリニック 院長)
 
 

■講師 内田大学 先生(木更津・ほたるのセントラル内科 院長)
資格:糖尿病専門医・指導医、内分泌代謝専門医・指導医、内科専門医、産業医
 
略歴:1987年山梨医科大学卒業、同年千葉大学第二内科入局、1993年米国チューレン大学留学、2000年千葉大学保健管理センター助手、2002年君津中央病院内分泌代謝科部長、2008年ほたるのセントラル内科開業

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