消化器科系

ありふれた機能性消化管障害の診断と治療(デモ付)

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■講師 黒沢進 先生(前 埼玉医科大学総合医寮センター消化器・肝臓科 准教授)
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【セミナー概要】
“21世紀はGERDの世紀“これは、20世紀末に各地で行なった講演時に私が使ったフレーズですが、少し言い過ぎかなと思っていましたが正にGERD(胃食道逆流症)は欧米並みに日本でも主要な疾患となってきました。本邦では上部消化管疾患ではこれまで胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんといったHelicobacterPyroliが主要な原因となる器質的疾患が重要でしたが、その罹患率が下がるに従ってこれらの疾患は欧米と同様に減ってきており、さらに、肥満、飽食、ストレスなどを社会的背景として相対的にGERD、FD(機能性胃腸症)などの機能性消化管障害が認知されるようになってきたのです。
GERDは胃食道逆流症の略語で、胸焼け、胸痛などの症状で極めてQOLが低下するのが特徴で、飽食、肥満の現代人における宿命的な疾患かと思えるほど蔓延しています。同様に飽食、肥満を主因とした高血圧、高脂血症のような症状がほとんどない慢性疾患とは異なり日常生活に支障がある場合が多いのです。このため、GERDを診断し適切に治療することで、開業医の先生方は患者様から大変感謝されるに違いありません。
一方、FDは従来、胃下垂、慢性胃炎といった病名であった疾患群です。検査法の進歩で病態が徐々に解明されてきており、胃痛、胃もたれ、胃部の不快感などを主症状とする疾患群です。この疾患群は原因も酸の障害、運動異常、知覚の異常など多岐にわたり複雑です。治療もGERDに比べると非常に多彩になり、心身症的なアプローチも必要な場合があります。
これらの機能性疾患はたいへんありふれた消化管疾患のため、病態や治療法の十分な理解が実地医家の先生方にとって重要であると考えております。
皆様、奮ってご参加ください。
10:00-12:00胃食道逆流症(GERD)の診断と治療
GERD(胃食道逆流症)の主な原因である酸逆流について、演者が長年行なってきた食道内pHモニタリングの結果を中心に病態を明らかにしていきます。そして、治療の点で、なぜH2受容体拮抗剤よりプロトンポンプ阻害剤が優れているのかを明快に解説していきます。また、最近できたガイドラインについても触れる予定です。pHモニタリングの実際についても機器を用いて簡単なデモンストレーションを行ないます。
 
12:00-13:00昼食・休憩
 
13:00-15:00機能性胃腸障害(FD)の診断と治療
FD(機能性胃腸症)については疾患概念の変遷にふれ、また
酸、運動異常、知覚障害、心理的障害など多彩な病態について易しく簡単にまとめ、治療についてもできる限りわかりやすく解説をします。

セミナー要綱

セミナーNO. 75
開催日 2010年10月24日 10:00〜15:00
講師 ■黒沢進 先生(前 埼玉医科大学総合医寮センター消化器・肝臓科 准教授)
診療科目 消化器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■10月24日(日)に開催しました第75回医療技術セミナー「胸焼け・ゲップ・胃もたれ・胃痛・胸痛等の症状を伴う、いつも遭遇するありふれた機能性消化管障害の診断と治療−GERD、FD、ピロリ菌と胃潰瘍・癌、他−」は盛会裏に終了しました。
かつて、”虫酸が走る””溜飲を下げる”の語源となったようですが、上部消化管疾患ではこれまで胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌といったHelicobacterPyroli菌が主な原因となる器質的疾患が重要でしたが、その罹患率が下がるに従って、これらの疾患は欧米と同様に減ってきており、その後、肥満・飽食、ストレスなどを社会的背景として相対的に胃食道逆流症(GERD;gastroesophagealrefluxdisease)、機能性胃腸障害(FD;FunctionalDyspepsia)などの機能性消化管障害が認知されるようになってきており、疾患概念が大幅に変わってきているかと思われます。そこで、統計では2人に1人が苦しんでおり、かつQOLに大きく影響を与えているという、ありふれた症状としての胸焼け・ゲップ・胃もたれ・胃痛・胸痛等の症状の大元に存在する疾患を取り上げてみました。
講師には、前埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科教授で、現在、帝京大学ちば総合医療センター第三内科非常勤講師であります黒澤進先生にお願いしました。
午前の講義では、前記の病態の変遷を裏付ける「わが国における上部消化管疾患の推移」「H.Pyroli菌陽性者の割合」「GERDの頻度の推移」「GERDとQOL」(夜間の逆流や胸焼けで不眠や睡眠障害の増加)「”バレット食道”や”食道腺癌”、”裂孔ヘルニア”の増加」「胃噴門部癌の増加」等のデータが示された後、その原因についての解説とともに、心臓疾患の”胸痛”や”虚血性心疾患”、”喘息”との関連の可能性等が強調されました。そして、「F-scale」という検査用紙が示され、受講者各位にも実際に自分の症状を採点をしていただきましたら、50%の方がGERDを持っているという前記を証明するような結果が判明しました。併せて、pHモニタリング計を使ったモニタリングの実際や24時間計測システム、内視鏡による診断についても解説が行われました。肝心の治療の点では、アルコール摂取や喫煙に注意したうえで薬物治療、内視鏡治療等について解説が行われました。
午後の講義の前半では、診断名も最終的に決まっていない機能性疾患であるFDの自然史(60年代は胃下垂・胃アトニー→80年代は慢性胃炎→NUD;NonUlcerDyspepsia→FD→10年代はFSS;FunctionalsomaticSyndrome;機能性身体症候群)や欧米を含めたデータが供覧されるとともに、診断と治療、生活指導の詳細について解説が行われました。後半では、黒澤先生が持参されました多くの薬剤見本を前にして、GERD、FDに用いる消化管用薬剤というタイトルで、H2ブロッカーならびにプロトンポンプ阻害剤(PPI)についての全般的解説の後、個別の薬剤についての詳細な解説が加えられ、使い方としては、PPI剤を中心に運動亢進剤・抗うつ剤を組合わせた処方が推奨され、俄然、質疑が盛り上がりました。受講者は、「良かった」との感想を出されて、帰途に使えました。
 

■講師 黒沢進 先生(前 埼玉医科大学総合医寮センター消化器・肝臓科 准教授)
略歴
19803月筑波大学医学専門学群卒業
4月国立医療センター(現国立国際医療センター)研修医
1985公立昭和病院消化器科
1987ミシガン大学留学
1989公立昭和病院消化器科医長
1991帝京大学第3内科助手
1993帝京大学第3内科講師
2004埼玉医科大学総合医療センター講師
2006同準教授
2009埼玉よりい病院内科部長埼玉医科大学総合医療センター教授
2010日清紡HD産業医帝京大学第3内科非常勤講師
 
医学博士
日本内科学会認定医/日本消化器病学会指導医、評議員/日本消化器内視鏡学会指導医、評議員/日本大腸検査法学会評議員/米国消化器病学会会員/米国消化器内視鏡学会会員/日本医師会認定産業医

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販売価格  ¥5,500(税込)

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