皮膚科系

薬疹・薬剤アレルギーの診断と治療

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検査と鑑別診断、薬疹と特殊な薬疹、治療と予後

■講師 塩原哲夫 先生(杏林大学医学部皮膚科 教授)
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■講師 稲岡峰幸 先生
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【セミナー概要】
薬剤投与に伴い薬疹も一定の頻度で発症する。薬疹の初期治療は、皮膚科以外の医師が、直近に開始した薬剤を中止して対応していることが多い。しかし、近年注目されている重症薬疹である薬剤性過敏症症候群は、痛風治療薬など特定の薬剤を長期間(2週間以上)投与後に、発熱と共に麻疹様の紅斑を生じる。薬剤の投与期間が長いため、原因薬を見逃してしまい、重症化する例も少なくない。本医療技術セミナーでは、最新の薬疹の分類、日常診療で間違えやすい薬疹の鑑別疾患、重症薬疹の見分け方、薬疹の診断に必要な検査、治療について詳細な解説を行う。●10:00-11:00薬疹とは平原和久
薬疹の種類は数多く、軽症薬疹から重症薬疹まで様々である。近年、薬疹の分類や概念は大きく変化しており、以前から重症薬疹とされているStevens-Johnson症候群や中毒性表皮壊死症に加えて、薬剤を長期投与後に生じる薬剤性過敏症症候群や、全身に膿疱を生じる急性汎発性発疹性膿疱症が新たに分類された。薬疹の概念の変遷と、新たな薬疹の分類を、多くの臨床症例写真を供覧しながら解説する。
 
●11:00-12:00薬疹の見分け方と検査石田正
中毒性表皮壊死症、Stevens-Johnson症候群、薬剤性過敏症症候群などの重症薬疹を診断するポイントは、薬剤の種類、投与期間、粘膜症状、皮疹の性状など多岐にわたる。薬疹の初期症状は麻疹などのウイルス感染に類似することがあり、診断が困難な症例も多い。薬疹の皮疹の特徴や、パッチテストや内服チャレンジテストなど、薬疹の鑑別診断に必要な検査について解説する。
 
●12:00-13:00昼食・休憩
 
●13:00-14:00薬疹の治療と特殊な薬疹稲岡峰幸
大部分の薬疹は原因薬の中止が治療となるが、中止後も皮疹が遷延する場合があり、ステロイドの内服や外用を併用することが多い。アナフィラキシー反応を生じた場合は、自己注射型のアドレナリン(エピペン○R)を処方することもある。本セッションでは治療のほかに、固定薬疹や光線過敏型薬疹のような見逃しやすい特殊な薬疹について解説する。
 
●14:00-15:00薬疹の臨床例と予後佐藤洋平
薬疹は様々な種類があり、原因薬剤中止後の経過も一様ではない。例えばStevens-Johnson症候群は角膜潰瘍を生じ、治癒後に視力障害を残す場合がある。薬剤性過敏症症候群は罹患後に抗核抗体や抗サイログロブリン抗体などが増加し、数年後にSLEや甲状腺炎、?型糖尿病などの自己免疫疾患を生じることがある。重症薬疹症例の経過と注意すべき合併症について解説する。

セミナー要綱

セミナーNO. 65
開催日 2010年8月29日 10:00〜15:00
講師 ■塩原哲夫 先生(杏林大学医学部皮膚科 教授)
■稲岡峰幸 先生()
診療科目 皮膚科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■8月29日(日)に開催しました第65回医療技術セミナー「薬疹・薬剤アレルギーの診断と治療−検査と鑑別診断、薬疹と特殊な薬疹、治療と予後−」は、盛会裏に終了いたしました。
「薬疹・薬剤アレルギー」。このテーマの講師の選択では、斯界で一番だと考えておりました杏林大学皮膚科の塩原哲夫先生にお願いし、塩原研究室から4名の先生方においでいただきました。
講義のテーマ分担は、「総論」を平原和久先生に、「薬疹の見分け方と検査」を佐藤洋平先生に、「薬疹の治療と特殊な薬疹」を稲岡峰幸先生に、そして「薬疹の臨床例と予後」については石田正先生に分担していただきました。
さて、薬剤投与は、医療全般にとって必要不可欠で、かつ普通に為されている医療行為ですが、一方で、薬疹もまた、日常の投薬に伴いある一定の頻度で発症するわけであり、最近、薬疹の分類や概念は大きく変化してきており、例えばアナフィラキシーショック死事故等での医療裁判の頻発などを見聞きすると、見分け方と対処法は重要だと考えます。(固定)薬疹は一般に、紫紅色斑の出現と灰褐色(スレート色!)の色素沈着を残し、怖いのは失明にいたることもあることだそうです。出やすい部位は、眼や口の周り、陰部等ですが、決まった箇所は無いとのこと。
講義は、薬疹とはから始まり、固定薬疹(FDE)、蕁麻疹型、アナフィラキシー、紫斑型、間擦疹型、膿疱型、光線過敏型等の解説を経て、重症薬疹とされるスチーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や、中毒性表皮壊死症(TEN)、長期投与後に生じるという薬剤性過敏症症候群(DIHS)や全身に膿疱を生じる急性汎発生発疹性膿疱症(AGEP)等について、所見の特徴や治療法等詳細な解説が行われました。また、検査の方法(パッチテスト、内服チャレンジ、DLST)、原因薬の特定(ウイルス感染ではないことの鑑別を含む)、即時型と遅延型、投与期間診断のポイント、症例研究、診断基準等についても説明された。
講義を聴いていて、いったん治癒したと思っていても、数年後に再発し、失明等も伴うこともあり、怖い疾患であることを認識した次第です。受講者のある方からは、「大学の講義ではなくて、もう少し開業医向けであったら・・・」との感想が出されましたが、症例と写真がたくさん供覧されましたがちょっと難しかったかも知れません。

■講師 塩原哲夫 先生(杏林大学医学部皮膚科 教授)
 
 

■講師 稲岡峰幸 先生
 
 

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