”神の手（ゴッド・ハンズ）”を持つ医師に学ぶ；病診連携を視野に入れて

■講師　杉本和隆 先生（苑田会人工関節センター病院　院長）
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■講師　松原正明 先生（玉川病院股関節センター センター長／東京医科歯科大学整形外科）
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【セミナー概要】
変形性の“膝関節症”と“股関節症”を取上げ、各種保存的治療法と今後主流になるであろう執刀医とホームドクターの二人三脚で加療を行うオープンシステムについて“神の手（ゴッド・ハンド）”を持つお二人の講師にお話をお願いします。皆様、どうぞ奮ってご参加下さい。●10:00−12:00変形性膝関節症（講師：杉本和隆先生）
ひざ痛の原因「変形性膝関節症」は高齢者ならびにスポーツ愛好家にとって避けて通れない疾患であります。しかし医療の進歩により各個人のADLを満たすための数多くの治療方法が選択できるようになりました。保存的治療、リハビリテーション、再生医療、軟骨移植、人工ひざ関節などが代表的な治療方法です。今回これらの治療のエビデンスならびに人工関節の?手術適応の共通認識?人工関節の最先端治療（MIS最小侵襲手術、ナビゲーション手術、先進医療骨モデル作成支援手術など）について?人工関節の術後スポーツ活動、長期の耐久性?リハビリテーション?人工関節センターの運営などにつき解説します。
●12:00−13:00昼食・休憩
●13:00−15:00変形性股関節症（講師：松原正明先生）
近年の乳児股関節検診により早期発見と適切な治療で先天性股関節脱臼に起因する股関節症はかなり減少してきたが、人口の高齢化に伴い若年期までに発見されず、青壮年期になり初めて股関節痛を発症する臼蓋形成不全に起因した股関節症例が増加している。股関節症は初期には長距離歩行後や階段昇降後に近位大腿外側に重だるさとして出現することが多く、進行すれば動作時に鼠径部前面に疼痛が出現するとともに、股関節の可動域制限、ADL障害が著明となる。治療法は症例の年齢と活動度、病期などを総合的に判断して決定される。若年者の前・初期股関節症に対しては、関節温存手術が選択されることが多く、また壮年・老年期の進行期・末期股関節症に対しては、人工股関節置換術の適応となる症例が多い。また、X線画像上変形が著しい場合でも疼痛がほとんどない場合もあり、症例により治療法を選択することが重要であり、?正常股関節と前股関節症の画像所見?股関節症の病期分類と各種治療法のコンセプト?関節温存手術の成績（疼痛、ADL）と問題点?人工股関節置換術の成績と問題点につき、解説をいたします。

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■第57回医療セミナー「変形性の膝関節症と股関節症の手術療法と適応症例の実際−神の手（ゴッド・ハンズ）を持つ医師に学ぶ−」は盛会裏に終了しました。
さて、今回の講師のお二人に付けられた”神の手”という表現は、医療ジャーナリストであります松沢実氏の著書『カリスマ医師50人の神ワザ』（小学館；08年）から拝借させて頂きましたし、二人の講師もその著作の中で紹介されている方々です。ただし、弊社の医療セミナーの受講者は「手術療法」を採られない実地医家の方々が主ですので、今回の企画は、「病診（療所）連携」にポイントを置くとともに、「手術療法の”適応と実際の症例”」に力点を置きました。
講義は、お二人とも得意な手術療法については動画を駆使されて、その前後の”適応”については詳細な解説を加えていただきました。杉本先生は、特にＭＩＳという最小侵襲人工膝関節手術について解説されるとともに、最後に、この3月に新規に開設されたばかりの「人工関節センター病院」の斬新で超近代的な病院の施設と診療の様子を、ご紹介いただきました。松原先生は、”神の手”と呼ばれたことにらしくない謙虚な態度で淡々と講義を進められたうえで、臨時に、開業医さんの視点からの変形性股関節症についての「症例研究」についても、披瀝していただき、大変有意義なセミナーになりました。ところで、松原先生によると、最近の手術のように、できるだけ傷を小さくするのはよいけれど、実は術野が狭く、手術の様子が分かるのは術者と前立ちの２名だけであり、きちんとした安全な手術をする上でも、また若手の術者を育てていく上でも、本当は困っている、との率直なお話がありました。

■講師　杉本和隆 先生（苑田会人工関節センター病院　院長）
 
 

■講師　松原正明 先生（玉川病院股関節センター センター長／東京医科歯科大学整形外科）