皮膚科系

日常診療で必ず遭遇する『多汗症』の診断と治療

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外来で避けないために

■講師 田中智子 先生(東京医科歯科大学皮膚科学 助教)
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【セミナー概要】
問診・診断・治療のポイントを押さえる多汗症(手足、腋窩)は、日常診療で必ず遭遇することがある疾患の一つです。その罹患率は人口の2.8〜4.3%といわれ、患者数は多く、その年齢分布は小学生〜30代までの比較的若い年代の受診が中心です。受診先としては皮膚科をはじめ、内科、精神科、外科、小児科、麻酔科、美容外科と多岐にわたりますが、残念ながら満足のいく診療が受けられる診療機関が少ない状態です。その理由として、多汗症のメカニズムが不明であり、それに伴い診断と治療指針が明らかでないこと、そして治療の知識、経験不足が挙げられます。
多汗症はその性質上日常生活においてさまざまな不利益を生じます。そのためVAS(Visualanaloguescale)スコアは重症のアトピー性皮膚炎にも相当する高値を示し、通学、就職や対人関係など社会生活に悪影響も与える原因にもなることもしばしばです。受診した患者を正しく診断し、治療方針を提示する準備が多くの診療現場に必要ではないでしょうか
多汗症の診断、治療方法については2004年、米国ではある程度の指針が発表されています。これを参考に、私たちが発汗異常外来の診療を通じて行ってきた経験から考えた本邦での診断基準、治療方針とその予後、また問題点について考えてまいりたいと思います。奮ってご参加ください。
10:00汗について。多汗症の分類
多汗症というキーワードから来院する患者さんは多岐にわたります。主に手足、腋窩の発汗を訴える特発性多汗症から、実は汗が出ない無汗症が一部にあるために多汗を訴えてくる患者さんも中にはいます。ここでは、汗についての一般的な知識、多汗の分布と症状から病態を紹介したいと思います。
 
12:30多汗症の診療と治療の実際
多汗症の一般外来における患者さんの診療の流れをお話します。塩化アルミニウム外用、イオントフォレーシス、ボツリヌス毒素局注、交感神経遮断術におけるそれぞれの利点と副作用、またその有効率について中心にお話します。初診の診察と説明で多汗症診療はスムーズに診ることができます。その際の実際とコツをお話したいと思います。
 

セミナー要綱

セミナーNO. 23
開催日 2009年11月23日 10:00〜15:00
講師 ■田中智子 先生(東京医科歯科大学皮膚科学 助教)
診療科目 皮膚科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月23日に開催いたしました第23回医療セミナー「日常診療で必ず遭遇する多汗症の診断と治療−外来で避けないために」は盛会裏に終了しました。
講師には、東京医科歯科大学皮膚科助教の田中智子先生にお願いしました。講義は、午前が、『発汗異常』ということで「多汗症」と、その逆の症状を呈する「無汗症」を取り上げられました。各種の汗腺の名称、種類と部位(手掌、足底、腋窩、顔面、他)、発汗の検査・測定方法の種類と器機、計り方等の総論の後、多汗症を呈する各種の疾患、無汗症を呈する各種の疾患についての解説と症例の呈示が行われました。
午後の講義は、「発汗計」のデモとヨード液を含ませた簡易検査紙の見本とデモの後、『多汗症の診断と治療』に移り、「発汗量測定・重症度判定」「治療選択」「効果判定」これは「発汗量と精神的な改善度の2項目」について触れられ、質疑が行われました。とりわけ、”治療方法・選択”のところで、「塩化アルミニウム外用療法(塗布)」「イオントフォレーシス(器機使用)」「ボツリヌス毒素局注」「胸部交感神経遮断術(ETS)」の長所・短所について議論が集中し白熱しました。症状によっては、試験問題に緊張し答案用紙を”汗浸し”にする子の例や、握手を嫌がる例、スベスベしたサンダルを履けない例、洋服の汗染み等に悩む方々の例の呈示に驚くとともに、それらの方々に一日も早く、症状改善の福音が訪れることをつい祈ってしまいました。受講者のある方は、「これで治療の選択肢を増やすことができた」と喜びながら帰って行かれました。(写真は、発汗計を使ったデモの様子)

■講師 田中智子 先生(東京医科歯科大学皮膚科学 助教)
2001年浜松医科大学医学部卒業
2001年東京医科歯科大学皮膚科入局
2005年同発汗異常外来担当
2008年 同助教、
現在に至る

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販売価格  ¥5,500(税込)

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