呼吸器科系

咳・痰・息苦しさの診かたと治療

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慢性咳嗽の鑑別と閉塞性肺疾患(COPD・気管支喘息)の診断治療を中心に

■講師 村田朗 先生(御茶ノ水呼吸ケアクリニック 院長)
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■講師 阿部信二 先生(日本医科大学内科学・呼吸器・感染・腫瘍部門 講師)
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【セミナー概要】
呼吸器疾患の症状といえば、咳・痰・息苦しさ(息切れ・呼吸困難)であるが、特に咳はどの呼吸器疾患にも現れる症状のために、日常診療では難渋する症状である。咳の持続する期間によって、急性・遷延性・慢性と分けられ、その鑑別診断は難しい。その慢性の咳を症状とする疾患の1つとして慢性閉塞性肺疾患(COPD)がある。たばこ・大気汚染などが原因で気管支から肺胞に至る気道に炎症を起こし、非可逆性な気道閉塞を示す疾患である。従来は慢性気管支炎と肺気腫と呼ばれてきたもので、時に喘鳴が聴取できることから気管支喘息と間違って診断されることもある。WHOの報告によれば、COPDは2020年には世界の死亡の第3位になると予測され、わが国における患者数も約530万人といわれているが、実際には約30万人しか治療を受けていないのが現状である。一方、同様に発作時には咳、痰、息苦しさを訴えるため、COPDと鑑別困難な閉塞性肺疾患に気管支喘息がある。症例数も年々増加傾向にあり、450万人(成人の約3%、小児の6%)といわれている。吸入薬を含めた治療法が確立してきた現在においては、外来治療で病状は安定し、長期間安定管理が可能になった疾患になってきたが未だ喘息死も多い。
今回、日常的に最も頻度の高い症状である咳に注目し、鑑別が付きづらい2つの閉塞性肺疾患を取り上げることにより、すぐに呼吸器疾患の日常診療に役立つものと考えている。
第1部慢性咳嗽の鑑別と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断と治療講師:御茶ノ水呼吸ケアクリニック院長村田朗先生
 
日常診療にて、慢性咳嗽は診断に苦慮する疾患である。咳が続くということで、慢性気管支炎との診断のもとに治療され、改善しない症例も多い。俗に「タバコ病」と呼ばれる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主症状も咳、痰、息切れであり、慢性咳嗽を示す疾患として鑑別しなければならない。COPDの診断基準は国際的に肺機能検査にて1秒率が70%未満の閉塞性換気障害がある場合とされ、重症度は1秒量の予測値に対する%(%1秒量)により判定されている。また、咳・痰・息切れ(息苦しさ)の症状だけでなく、動脈硬化を含めた全身に影響を及ぼすことも理解しなくてはならない。平成20年には、患者にも一般臨床医にもわかりやすくするため、「肺年齢」という評価方法も呼吸器学会が提唱しCOPDに対する警告を発している。今回の医療技術セミナーでは、咳嗽を症状とする疾患の代表としてCOPDを取り上げ、その診断・治療を中心に、患者指導・呼吸リハビリを含めて、総合的に日常診療に役立つCOPDの診療を解説する。
 
第2部気管支喘息の診断と治療―咳喘息を含めて−
講師:日本医科大学内科学(呼吸器・感染・腫瘍部門)講師阿部信二先生
日常診療でよく目にする慢性咳嗽を示す疾患に咳喘息、気管支喘息がある。咳喘息も気管支喘息に移行すると考えられているため、鑑別が難しいこともあるが、気管支喘息は喘鳴を伴うということでCOPDと間違って診断・治療されていることがある。喘息死は少なくなってきているものの、他の先進国にくらべると、患者10万あたりの死亡者数はまだ高い現状にある。喘息管理の国際指針「GINA」によると、喘息治療の目標は「喘息コントロールを達成し、維持すること」である。吸入ステロイド薬の普及により、コントロールは良好になってきたものの、未だ吸入薬に対する理解が不足していて十分に使われていない現状もある。今回は、アレルギー反応が関与していてIgEが高値である症例に対して、新しく開発された喘息治療薬を含めて、ガイドラインに沿って日常診療にすぐに役立つ喘息の診断、治療に関して解説する。
 

セミナー要綱

セミナーNO. 6
開催日 2009年8月2日 10:00〜15:00
講師 ■村田朗 先生(御茶ノ水呼吸ケアクリニック 院長)
■阿部信二 先生(日本医科大学内科学・呼吸器・感染・腫瘍部門 講師)
診療科目 呼吸器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■8月2日(日)に開催しました第6回医療技術セミナー「咳・痰・息苦しさの診かたと治療」は盛会裏に終了しました。
今回のセミナーでは、現在日本人の死因第4位といわれる呼吸器疾患関連の疾患を取り上げました。午前の講師にお願いしました御茶ノ水呼吸ケアクリニック院長の村田朗先生の講義は、慢性咳嗽を切り口にして、慢性気管支炎や俗に「タバコ病」とも言われる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の鑑別等に触れられるとともに、その診断・治療を中心に、患者指導・呼吸器科リハビリを含めて、総合的に日常診療に役立つ呼吸器科の診療について、分かりやすい解説が行われました。次に、午後の講義の「気管支喘息」を担当された日本医科大学内科(呼吸器・感染・腫瘍部門講師)の阿部信二先生は、喘息の疫学、病態、危険因子、診断、治療の目標、重症度の客観的評価と話を進められ、アレルギー反応が関与していてIgEが高値である症例に対して、新しく開発された喘息治療薬を含めて、吸入ステロイド薬等の見本を示した詳しい説明が行われるとともに、ガイドラインに沿って日常診療にすぐに役立つ喘息の診断と治療の詳細が解説されました。

■講師 村田朗 先生(御茶ノ水呼吸ケアクリニック 院長)
89年日本医科大学大学院卒
日本医科大学第四内科助手
07年日本医科大第四内科准教授
現職
御茶ノ水呼吸ケアクリニック院長
医療法人財団日睡会理事長
日本医科大学内科学講座(呼吸器・感染・腫瘍部門)非常勤講師

■講師 阿部信二 先生(日本医科大学内科学・呼吸器・感染・腫瘍部門 講師)
 
 

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