循環器科系

高血圧とCKD(慢性腎臓病)

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−なぜCKDでは血圧が問題なのか 血圧を波として捉える−

■講師 鈴木洋通 先生(埼玉医科大学腎臓内科 教授)
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【セミナー概要】
現在、臨床現場での大きな問題は、高齢者、高血圧、CKD(慢性腎臓病)であると言い切ってもよいくらいに、これらの3つの要素がリンクしています。しかし、ガイドラインをひも解いてみると高齢者でも血圧を一般の人と同様に下げることが望ましいとされているに過ぎず、高齢者のCKDにどう対処してよいのかについてはほとんど記載すらないのが現状です。このような日本の高齢社会で医療はどう対処していけばよいのでしょうか。多くの実地医家の疑問は高齢者とは一体なんなのかというところから出発しているのではないでしょうか。さらに、最近では実際の現場では様々な疾患を有しかつ治療もされている80歳以上の高齢者の急速な増加にどう対処するのかで大きく意見が分かれているのが現状ではないでしょうか。まず血圧をどう評価すればよいのでしょうか。従来血圧は血圧値という考え方で統一されてきました。しかし、実は血圧は波であるという本質の部分がほとんど忘れ去られています。波という考え方でみると同じ血圧値であっても大きく異なってきます。最近高齢者は血圧を波として捉えることが重要なことが解ってきました。CKDも単に推算GFRのみでなくアルブミン尿や蛋白尿とともに評価する重要性が増しています。すなわち、単純な当てはめでは実際の医療現場は対処できないことになりつつあります。このような現状はガイドラインのみでとても対処しきれず、多くの先生方が日々ジレンマに陥っているといっても過言ではないと思います。そういう私も同じ問題に日々悩み苦戦しています。今回この医療技術セミナーを通して皆様方と語りあうことにより、日々抱えておられる問題の解決の糸口が少しでも見つけられることを願っています。皆様、奮ってご参加ください。10:00高齢者の血圧をどう評価するか
症例は82歳の男性です。この言葉で皆さんはどのようなイメージをもたれるでしょうか。かなり幅をもって考えられるのではないかと思います。すなわち、すでに多くの血管障害を有している人、治療を受けている人、ほとんど障害が見られない人、などが思い浮かぶかと思います。高齢者の血管はよく知られているように硬くなるとされています。その硬さを示す指標にしばしば使われているのが脈波伝搬速度です。この数値以上に実は意味をもっているのが波形です。さらに最近ではAugmentationIndex(AI)が比較的簡単に測定できるようになり、その持つ意味も次第に明らかになっています。さらに頚動脈エコーなどにより血管の状態をより正確に診断できるようになっています。高齢者では血圧の評価とともに血管の評価が重要な意味をもっています。そこでまず、血圧とともに血管をどう評価し、かつどう追跡をしていけばよいのかを皆さんとともに考えていきたいと思います。
 
11:30昼食
 
12:30CKD(慢性腎臓病)の評価をどうするか
現在CKDの評価については推算GFRの式で一般的に行われています。この式では年齢の占める割合が大きいので当然ですが、高齢者ほど推算GFRは低くなります。したがって、軽度の血清クレアチニンの上昇であっても推算GFRは60ml/分/1.73m2未満となることが多くなります。そこでCKDで大切なポイントとしては微量アルブミン尿、蛋白尿であることになります。すなわち、尿異常、特にこれらの異常があるかないかは推算GFRとともに重要な予後決定因子となります。そこでこれらを合わせて常にCKDの患者さんをみることが大切です。
 
13:45血圧と腎臓を評価したうえでどう治療方針をたてるか
上記のように高齢者で血圧と腎臓を評価した上でどのような治療方針を立てるかはまさに千差万別ではないかと思います。すなわち、どのような環境にあるのか、どのような性格なのかといったことも治療決定に際して大きな要素となります。それをどう勘案するのか、どのようなことに注意をすればよいのかを個人的経験と文献をもとにお話します。

セミナー要綱

セミナーNO. 2
開催日 2009年7月5日 10:00〜15:00
講師 ■鈴木洋通 先生(埼玉医科大学腎臓内科 教授)
診療科目 循環器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■7月5日(日)に開催いたしました、第2回医療技術セミナー「高血圧とCKD」は、盛会裏に終了しました。
講師にお願いいたしました埼玉医科大学腎臓内科の鈴木洋通教授の下記のお話は、これまで通説となっておりましたいくつかの考え方を根底から覆すものもあり、受講者の皆さんは、「目からウロコが落ちた」と、特に大きな感銘を受けられた名講義でありました。講師の鈴木洋通教授、そして受講者各位に感謝を申し上げます。
 
「血圧はこれまで血圧値によってのみ評価されてきているが、本来は波の要素ももっており、それに配慮する治療が求められる。血圧の理解には塩と腎臓の関連が大切であり、減塩こそが最大の慢性腎臓病の治療である、ということです。

■講師 鈴木洋通 先生(埼玉医科大学腎臓内科 教授)
<略歴>
75年北海道大学医学部卒業
86年慶應技術区大学医学部専任講師(内科学)
91年同助教授
95年埼玉医科大学腎臓内科教授

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販売価格  ¥5,500(税込)

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