一般医学系

サイエンス漢方 Ⅱ-6 「冷え症」「脳神経外科」「急性期病棟」「救急」

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■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
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【セミナー概要】
漢方薬を診療に使いたい医師は多いのであるが、実際に使おうとしたときには、サイエンスに基づかない理解しにくい古典的運用法がネックとなる。歴史的にみると試行錯誤で出来上がった漢方薬が先で、古典的運用法は後付けに過ぎない。古典的運用法によらないで漢方薬を処方することを邪道と非難し認めない漢方の専門家も多い。しかし漢方薬は最近の研究で、薬理学が従来想定していなかった、超多成分の全く新しいタイプの薬剤であると考えないと、漢方薬を服用したあとに患者の中で起こることを説明できないことが明らかになりつつある。これを踏まえて、今回の医療技術セミナー(?)では、サイエンス漢方処方という新しい切り口で漢方薬を認識し、新しい運用法によって全ての医師が漢方薬を的確に処方できるようにしたい。
皆さま、奮ってご参加ください。?冷え症の新解釈と冷え症に有効な漢方薬
従来の冷え症の発生機序についての説明には多くの疑問がありました。「末梢血流障害が原因というが高度な冷え症でも足が壊疽にはならない」「四肢の運動に全く影響はないので深部動脈血流は維持されている」「自律神経の乱れはほぼ情緒的な表現」などなど。
そこで私の冷え症についての新解釈です。「動脈血が四肢に運ぶ熱量不足により四肢が冷える」「漢方薬により褐色脂肪細胞の熱産生量をアップすると解決できる」のです。
 
?脳神経外科領域で役に立つ漢方薬〜脳神経外科医からのお悩みに答えて〜
脳神経外科の臨床において日頃から困っていることをお伺いして漢方薬の介入で解決できそうな疾患や症状を取り上げました。
例:視床出血や脳梗塞後の後遺症(しびれや疼痛)、片麻痺の麻痺側上下肢に生ずる浮腫や痛み、慢性硬膜下血腫の再発を完全に予防できる方法、三叉神経痛にリリカやタリージェを使わずに対処できる保存的治療、高齢者の昼夜逆転、保菌状態での耐性菌対策など。
 
?急性期病棟での漢方薬の使い方
漢方薬はもともと急性期の、特に熱性疾患の治療のための薬で、基本的に速効性です。その薬理作用は、一言で言えば「抗炎症薬」です。急性期病棟の疾患は、多かれ少なかれ急性炎症が絡んでいますので、ほとんどは漢方薬の「抗炎症作用」が役に立ちます。抗菌薬などの新薬で病因を攻撃し、漢方薬で急性期疾患と戦うことができるだけの免疫能を引き出すことで効果的な治療ができます。
 
?救急医療におけるサイエンス漢方処方
漢方薬の世界初の治療マニュアルである「傷寒雑病論」には、現代で言えば救急医療の範疇に入る疾病が多数記載されています。
例えば、大青竜湯の近似処方である麻黄湯+越婢加朮湯を1〜1.5時間間隔で2回、桂枝湯+麻杏甘石湯を2〜3時間間隔で3回服用すると、最短6時間、最長12時間でインフルエンザは治ります。桂枝人参湯を
1時間おきに服用するとノロウイルスによる胃腸炎は半日で治ります。

セミナー要綱

セミナーNO. 682
開催日 2021年11月21日 10:00〜14:30
講師 ■井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
診療科目 一般医学系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月21日(日)に開催しました第682回医療技術セミナー『サイエンス漢方処方セミナー?-6「冷え」「脳神経外科」「急性期病棟」「救急」における漢方処方−漢方薬の作用機序を数理で解明、東洋医学とは本質的に異なる斬新な運用法』は、盛会裏に終了しました。
講師には、いつものようにサイエンス漢方研究会理事長で、日高徳洲会病院院長であります井齋偉矢先生をお招きしました。
井齋先生におかれては自らのサイエンス漢方処方の領域の研究業績を世に広く普及することを希望されて、広い心で惜しげもなく現在までに32テーマまで、ご自分のホームページ(HP)上で公開されており、最近新たに加えられた「冷え」と「脳神経外科」の2項目を含めて今回の企画になりました。
これまで開催しました1つ目の企画(?)のシリーズでは、すでに2回開催されております(#5472019年4月28日漢方概論・速効性、多愁訴、#5632019年8月25日風邪・インフル、老年症候群、CommonDisese)。
次に、2つ目(?)の「サイエンス漢方処方」シリーズでは、1回目の企画となりましたのは、#6092020年7月19日『循環器、腎臓、整形外科と痛み』を取り上げました。2回目は、2020年11月8日、#622『消化器科と神経内科、女性特有の疾患と訪問診療』を行いました。3回目の企画は、#614『呼吸器科、耳鼻咽喉科、アレルギー、がん』を取り上げ、2021年2月14日に開催しました。結果的には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2回と3回の順番が変わってしまいました。4回目の企画では、これまで取り上げ切れなかった領域と、その後追加された領域の㉚泌尿器科、㉙精神安定・憂鬱解消、?外科、?未病の概念と漢方、について取り上げ解説をお願いしました。5つ目の企画では、2021年6月20日「この科にこの1本」「不足を補う」「病床療養」「COVID-19感染症の予防・治療における漢方」の4つを取り上げて(#664)いただきました。
 
今回は下記の4つを取り上げていただきました。
?冷え症の新解釈と冷え症に有効な漢方薬
私が提唱する冷え症の新解釈です。「動脈血が四肢に運ぶ熱量不足により四肢が冷える」「漢方薬により褐色脂肪細胞の熱産生量を
アップすると解決できる」のです。
?脳神経外科領域で役に立つ漢方薬〜脳神経外科医からのお悩み
に答えて〜
脳神経外科の臨床において日頃から困っていることをお伺いして漢
方薬の介入で解決できそうなものを取り上げました。
?急性期病棟での漢方薬の使い方
漢方薬はもともと急性期の、特に熱性疾患の治療のための薬で、基本的に速効性です。その薬理作用は、一言で言えば「抗炎症薬」
?救急医療におけるサイエンス漢方処方
漢方薬の世界初の治療マニュアルである「傷寒雑病論」には、現代で言えば救急医療の範疇に入る疾病が多数記載されています。
 
質疑では、会場からもネット受講者からもたくさん質問が届き、
井齊先生は楽しそうに、丁寧に答えられておりました。
 
次の企画による開催は、1月23日(日)に、お悩みに答えてシリーズがテーマで、「整形外科」「産婦人科」「精神科」「乾燥」を中心に開催予定です。皆さま、ご期待ください。
 
スキルアップのHPでも了解を得て公開させていただいておりまして、自由にDLしていただけるようになっております。スライドを見てみると、全ての公開内容がカラフルできれいなイラストで作成され、症状と漢方薬の用法等、きれいにまとめられており、素晴らしい内容です。なお、紙のテキストを希望される方には有料で対応しております。どうぞお合わせ下さい。

■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
<略歴>
75年北海道大学医学部卒業。同年北海道大学第一外科に入局し現在同門。医学博士。専門は消化器・一般外科、肝臓移植外科。
88年から3年間、オーストラリア・シドニー大学オーストラリア肝移植ユニットで肝臓移植の臨床および実験に従事。帰国後、独学で漢方治療を本格的に開始。12年にサイエンス漢方処方研究会を設立し、現代医学にのみ立脚した「サイエンス漢方処方」の普及に努めている。
07年より北海道日高郡・医療法人静仁会静仁会静内病院院長。
18年9月1日病院名を医療法人徳洲会日高徳洲会病院に変更。
 
最新刊として『新型コロナと速攻!漢方』(青春出版社;2021.9)が、あります。

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