一般医学系

サイエンス漢方処方セミナー Ⅱ-2 呼吸器と耳鼻咽喉科/アレルギーとがん

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漢方薬の作用機序を数理工学で解明− 東洋医学とは本質的に異なる斬新な運用法

■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
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【セミナー概要】
漢方薬を診療に使いたい医師は多いのであるが、実際に使おうとしたときには、サイエンスに基づかない理解しにくい古典的運用法がネックとなる。歴史的にみると試行錯誤で出来上がった漢方薬が先で、古典的運用法は後付けに過ぎない。古典的運用法によらないで漢方薬を処方することを邪道と非難し認めない漢方の専門家も多い。しかし漢方薬は最近の研究で、薬理学が従来想定していなかった、超多成分の全く新しいタイプの薬剤であると考えないと、漢方薬を服用したあとに患者の中で起こることを説明できないことが明らかになりつつある。これを踏まえて、今回の医療技術セミナー(?)では、サイエンス漢方処方という新しい切り口で漢方薬を認識し、新しい運用法によって全ての医師が漢方薬を的確に処方できるようにしたい。
皆さま、奮ってご参加ください。
■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断りします)
 
10:00-10:55呼吸器疾患の漢方治療
今回は、急性咽頭炎、普通感冒、インフルエンザ、気管支喘息、急性気管支炎、市中肺炎、COPD、肺がんを取り上げる。そして、今新たな問題になっているCOVID-19(新型コロナウイルス)感染症に対する漢方治療についても言及する。いずれにしても、原因病原体である細菌やウイルスを抑えるだけでは、すでに起こっている呼吸器の炎症は鎮まらない。漢方薬の基本的作用である抗炎症作用が、特に呼吸器では劇的な効果を表すことがある。
 
11:00-11:55耳鼻咽喉科に使えるサイエンス漢方処方
耳鼻咽喉科領域で、耳鼻咽喉科的手技では上手く治療ができないものの中で、漢方治療の方が適しているものを取り上げます。耳関係では、めまい、特に身体動揺感や精神的なめまいがいい適応になる。鼻関係では、アレルギー性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎は漢方が得意であり、嗅覚障害でも感冒罹患後のものは有効である。咽喉関係では、咽頭炎、咽頭周囲炎を取り上げる。漢方薬を使うことで、抗菌薬の使用量を減らすことができる可能性がある。
 
12:30-13:25アレルギーの漢方治療
アレルギーは免疫系、特に1型・2型ヘルパーT細胞、誘導型制御性T細胞、炎症性ヘルパーT細胞のバランスが崩れることにより発症する。乱れたシステムを正常化するように仕向けるというのも、漢方薬の基本的作用のひとつである。疾患としては、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症、通年性鼻アレルギーを取り上げる。アレルギーの基本新薬である抗ヒスタミン剤が持つ強い副作用がないのもありがたいことである。
 
13:30-14:25がんと漢方
がんの治療の基本は、がん細胞を外科療法、化学療法、放射線療法などの攻撃的治療で消滅させる標準治療である。しかし、治療法の発達に伴い、重篤な副作用も現れ、患者アンケートでは、副作用があっても治療を最後まで貫徹できるのは2割くらいしかいない。従って、有効な副作用対策は、がんの治療成績をあげるために重要である。今回は、患者が最も辛いと感じる副作用である、嘔気・嘔吐、倦怠感・疲れ、手足のしびれを中心に対策を述べる。

セミナー要綱

セミナーNO. 614
開催日 2021年2月14日 10:00〜15:00
講師 ■井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
診療科目 一般医学系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■2月14日(日)に開催しました第614回医療技術セミナー『サイエンス漢方処方セミナー?-2呼吸器科・耳鼻咽喉科・アレルギー・がん−漢方薬の作用機序を数理で解明;東洋医学とは本質的に異なる斬新な運用法』は盛会裏に終了しました。
講師には、日高徳洲会病院院長、サイエンス漢方処方研究会理事長の井齋偉矢先生をお招きしました。
井齋先生におかれては自らのサイエンス漢方処方の領域の研究業績を広い心で惜しげもなく世に広く普及することを希望されて、現在までに30テーマまで、ご自分のホームページ(HP)上で公開されており、スキルアップのHPでも了解を得て公開させていただいておりまして、自由にDLしていただけるようになっております。スライドを見てみると、全ての公開内容がカラフルできれいなイラストで作成され、症状と漢方薬の用法等、きれいにまとめられており、素晴らしい内容です。
1つ目の企画(?)のシリーズでは、すでに以下のように2回開催されております(#5472019年4月28日漢方概論・速効性、多愁訴、#5632019年8月25日風邪・インフル、老年症候群、CommonDisese)。
次に、今回は、2つ目(?)の「サイエンス漢方処方」シリーズですが、1回目の企画となりましたのは、#6092020年7月19日『循環器、腎臓、整形外科と痛み』を取り上げました。2回目は、3つ目の企画『消化器科と神経内科、女性特有の疾患と訪問診療』を2020年11月8日に行いました。今回は3回目ながら2つ目の企画で、#614『呼吸器科、耳鼻咽喉科、アレルギー、がん』を取り上げていただきました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響ですっかり順番が狂ってしまいました。
今回の講義の組立は以下の通りでありました。
・呼吸器科疾患と漢方治療
・耳鼻咽喉科疾患と漢方治療
・アレルギー科疾患と漢方治療
・がんと漢方治療
質疑では、会場受講者からは絶えまなく質問が出されましたし、ネット受講者からもいくつか届きました。
 
で、このシリーズは今回が最後の予定でしたが、次の企画が決まりました。5月16日に、?の4番目のセミナーとして、『泌尿器科、眼科、他』を開催させていただくことになりました。乞うご期待です。

■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
<略歴>
75年北海道大学医学部卒業。同年北海道大学第一外科に入局し現在同門。医学博士。専門は消化器・一般外科、肝臓移植外科。
88年から3年間、オーストラリア・シドニー大学オーストラリア肝移植ユニットで肝臓移植の臨床および実験に従事。帰国後、独学で漢方治療を本格的に開始。12年にサイエンス漢方処方研究会を設立し、現代医学にのみ立脚した「サイエンス漢方処方」の普及に努めている。
07年より北海道日高郡・医療法人静仁会静仁会静内病院院長。
18年9月1日病院名を医療法人徳洲会日高徳洲会病院に変更。
 
最新刊として『新型コロナと速攻!漢方』(青春出版社;2021.9)が、あります。

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販売価格  ¥5,500(税込)

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