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【セミナー概要】 本年3月には、「還元主義的なマニュアルやガイドラインの中に、魅力的な、語り口のスタイルを吹き込もう」という私の神経診断学の基本的な考えかたを、頭痛・めまい・しびれというコモンな三大神経症状と非典型的脳梗塞をテーマとして、解説しました。 今回の医療技術セミナーでは、少し前から近未来にかけて増加中の三大神経疾患を選んで、私の基本的な考え方を解説したいと思います。第一はデメンチア(認知症)です。教育年数の増加や血管危険因子への対策の進歩から、頻度はそれほど増加しないのではという考えもありますが、長寿化により必ず実数は増加します。第二はパーキンソン病です。65歳以上の1%と言われてきましたが、いくつかの研究によりますと、今後アルツハイマー病よりも速度が速く増加し、20年後には2%になると言われます。そして、今や非運動症状は全科にわたる課題です。第三は心因性神経症状で、これも増加傾向にありますが、心因性と紛らわしい症例も多く鑑別が必要です。 | | プログラム(質疑含む)
10:00−11:00 デメンチア(認知症)を知る まず疫学的なことを学び、次いでどのような訴えで受診してくるか、訴えの内容によってどんなことを考えるか、いくつかの代表的な疾患(アルツハイマー病、血管性、レビー小体病、前頭側頭型)の特徴と対処の仕方はどうかについて学びましょう。
11:00−12:00 パーキンソン病を知る パーキンソン病は運動障害の疾患に分類されていますが、発症前からも発症後も多彩な非運動症状を呈します。便秘・胃腸症状、不安症・アパシー、睡眠障害、痛み、転倒・骨折、認知障害、精神症状などです。これらのため、多くの科を受診することがあります。
12:00−12:30 昼食
12:30−13:30 心因性と紛らわしい病態とヒステリー(転換障害/変換症)を知る 心因性と間違われるパターンは、疾患自体を知らない、症状が非特異的ないし多彩、疾患自体が精神症状や心因反応を起こす、訴えが誇張的などです。一方、ヒステリーは一種の防御反応であり、本来精神疾患ではありません。実例を通して学びましょう。
13:30−14:30 神経診察手技の意義を知り、コツを学ぶ 外来ではまず歩行と会話を診ます。これらに明らかな異常がなければ、腱反射を診ます。これは神経系の系統とレベルの交差点にあるからです。その後の限られた時間の中での診察では主訴に応じての取捨選択が重要です。どんな診察手技でも形ではなく、背景の解剖生理を知る必要があります。実技を通して解説したいと思います。 皆さま、奮ってご参加ください。
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|  | ■講師 | 福武敏夫 先生 | | (亀田メディカルセンター神経内科 部長) |
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| | | | <略歴> 東京大学理学部数学科中退、医学系予備校講師を経て、 1981年千葉大学医学部卒業、千葉大学神経内科に入局 2000年6月、千葉大学神経内科助教授 2003年4月、亀田メディカルセンター神経内科(2018年10月脳神経内科に改称)部長、現在に至る(内科チェアマン兼任)。この間、千葉大学非常勤講師、臨床教授、亀田医療大学・大学院非常勤講師兼任。 <著書> ・単著「神経症状の診かた・考えかた−General Neurologyのすすめ−、第2版」(医学書院)、「脊髄臨床神経学ノート」(三輪書店) ・編著「Dynamic diagnosisに必要な脊椎脊髄の神経症候学」(三輪書店)、「しびれ感」(日本神経治療学会)(医学書院、2017) ・主な分担執筆「カラーイラストで学ぶ神経症候学」(文光堂)、「頭痛のすべて」(医歯薬出版)、「めまいを見分ける・治療する」(中山書店)、「神経感染症を極める」(中山書店)、「運動失調のみかた、考えかた」(中外医学)、「脳血管障害と神経心理学」(医学書院)、「Uncommon Causes of Stroke」(Cambridge University Press) ・その他、原著論文、総説多数 <学会活動> 日本神経学会(専門医・指導医、用語委員、卒前・初期臨床研究教育委員、教育コンテンツ査読部会委員)、日本脳卒中学会専門医・指導医、日本頭痛学会名誉会員、日本脊髄障害医学会名誉会員、日本神経治療学功労会員、日本高次脳機能障害学会特別会員、日本内科学会員・指導医、Spinal Cord Club幹事、American Academy of Neurology (Corresponding Active; Royal Member)
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