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脱水症の予防と治療―経口補水療法から輸液療法までー( 熱中症対策も含む)|7月14日(日)【第781回】

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■谷口英喜 先生(済生会横浜市東部病院)
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【セミナー概要】
脱水症は、あらゆる疾病に伴い出現し、臨床現場では毎日のように対応が迫られる病態です。 脱水症の治療は、米国疾病予防センターの指針に従い経口補水療法と輸液療法を使い分けます。経口補水療法に関しては、熱中症や感染性胃腸炎に関する治療ガイドラインでも推奨とされ、輸液療法とともに医師が取得すべきスキルとなりました。 本医療技術セミナーでは、脱水の予防と治療に関して、役立つ科学的根拠を解説していきます。 これ以上涼しくなることのない未来に備えて、スキルアップしていきましょう。 皆様、奮ってご参加ください。

午前の部(10:00~12:00)  午後の部(12:30~14:30)
●「脳梗塞と言われたら」というテーマで、患者さん・ご家族が知るべき知識を説明します。
● 今回のプレゼンテーションの内容を抑えていただくことで、脳梗塞の入院治療や一次予防、二次予防について説明できるようになります。
●「パーキンソン病と言われたら」というテーマで、患者さん・ご家族が知るべき 知識を説明します。
● パーキンソン病の診断、治療、予後などについて網羅的に説明できるようになります。
● 認知症/アルツハイマー病の総論的な説明を行います。これをもとに、患者説明ができるようになります。また、認知症予防についての患者向け説明をレクチャーします。
● 最後に、レカネマブをめぐる、アルツハイマー病診療のパラダイムシフトとその適応についてご説明します。レカネマブについて患者さんに説明できるようになります。

セミナーNO. 781
開催日 2024年7月14日(日) 10:00~14:30 ※開場 9:30
講師 谷口英喜 先生(済生会横浜市東部病院)
診療科目 麻酔科、集中治療、臨床栄養、他
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

7月14日(日)に開催しました第781回医療技術セミナー『脱水症の予防と治療-経口補水療法から輸液療法まで:感染胃腸炎、熱中症、その他の疾病に伴う脱水症治療』は盛会裏に終了しました。
講師には、済生会横浜市東部病院患者支援センター センター長/栄養部 部長であります谷口英喜先生をお招きしました。3回目です。谷口先生のこれまでは、昨年の7月30日夕刻に急遽開催させていただいた『実地医家のための 熱中症・脱水の予防、診断、対処法-子供たち、高齢者のいのちを守る水分補給、飲水学』(#760;2023年7月)、『輸液・栄養管理を学び直す-実地臨床家に必要な輸液・栄養管理の基礎知識:時代は、経験的な管理から科学的根拠に基づく管理へ』(#765;2024年2月)、とご出演いただいて参りました。谷口先生は、猛烈に暑い日が続く夏のこの時期になるとテレビやラジオで引っ張りだこの先生です。この領域では、きちんとした書物を残しておられる唯一と言って良い研究者ですが、講演の中でも仰有っていたことですが、「この領域では私の独占市場が続いております」とのこと。この夏、いくつかのテレビ局でも「熱中症」「脱水症」の特別番組が用意されているそうです(例:8月4日TBS系列;熱中症対策に重要な飲水学)。執筆活動でも、最近は一般の方 向けに『熱中症から命を守る;この夏あなたを救う正しい熱中症対策!これ以上涼しくなることの無い未来に備えて』(評言社;2024年5月;1600円;この書物はクリニックの待合室にぜひ備えて下さい)以外にも、管理栄養士さん向けの『フィジカルアセスメント』(医歯薬出版;2024年7月;3,700円)や、麻酔科医向けの『周術期の栄養管理』(克誠堂出版;2024年5月;4,400円)とご著書も3冊次々と上梓なさいました。主宰子は前々からお出でいただきたいと考えておりましたところ、約1年前にFacebookのうえで無理矢理にお友達に成らせていただいてからのご縁です。
今回のセミナーの講義の組立ては以下の通りでした。
1)脱水症の診断、近年の概念も踏まえて
2)熱中症の最新知識
3)日常飲水の指導に役立つ飲水学を学ぶ
4)脱水症治療の 1st choice 経口補水療法を学ぶ
5)脱水症に対する輸液療法を学ぶ
「脱水症」の特徴は、①食欲の低下、②腎臓始め3臓器症状の同時出現、③疲れで、あり高齢者に多い「かくれ脱水」「脱水予備軍」は腸内細菌環境にも大きく関わり免疫機能が低下し、水分補給が充分でないと老化の速度が早まり、疾患の慢性化や早期死亡のリスクも高まるという訳です。その理由は加齢により、①体液をためるタンク(筋肉)が少ない、②飲んだり食べたりする量が減っている、③のどの渇きや暑さに気が付きにくくなっている こと。また、発達が未熟な子どもは脱水症になりやすいという訳です。その理由は、①子どもの成長期には水分を多く必要とし、②体重あたりの不感蒸泄が大人と比べて多い、③汗をかく機能や腎臓の機能が未熟であるから という訳です。具体的には、「熱中症対策のウソ・ホント」としていくつかクイズめいた話題が出ており、暑くなるから塩分の多い食物を食べさせるとしてこれまでは塩飴や梅干しがまことしやかに語られてきましたが、ある理由により「×」のだそうです(主宰子はこれまで“梅干し”説を採用して参りました)。次の設問では暑くなるので冷たい飲み物を・・・という点も、実は胃腸の消化液の働きを活発にさせる・・・という意味で冷た過ぎる飲み物ではなく体温に近い温度の飲み物をそれなりの量で摂ることが肝要だそうです。
質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、回答を希望される方、興味ある方はDVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。
Q1.かつての小学校では授業中の飲水は出来なかったのですが、今は飲むようにされているんですか? 飲んだ方が良いわけですね? 体育の授業中もかつては飲ませてもらえなかったのですが、同じ事情ですか? Q2.子どもに持たせる水筒の中には何を入れたら宜しいですか? (→お茶、水) Q3.持って行った水筒の水を飲んでしまい無くなった時には、学校の水道の水を補充するのでも大丈夫なんですか? Q4.先日、プールで溺れたお子さんがおられたと思いますが、いつもは泳げた・・・らしいので原因は脱水による足の痙り・・・だったのでしょうか? Q5.アミノ酸を脱水の時に飲むのはいかがでしょうか? Q6.夏の時期のクラブ活動の後で熱中症ではないか・・・と来られて診る機会があるのですが、その場合の対応はスポーツドリンクや経口補水液による塩分補給を勧めるので宜しいでしょうか? Q7.飲むヨーグルトはいかがでしょうか?(→熱中症の最中には適さない) Q8.血圧や脈拍異常で熱中症ではないかと来られる高齢の患者さんの症状は、交感神経緊張由来の症状か、夏場の脳血管障害の症状なのか、どう見分ければ宜しいでしょうか? Q9.コカコーラ社から発売されたドリンクの名称をお教え下さい(→コカコーラ)アクエリアスORS) Q10.夏ですから、炭酸水の摂取はいかがですか?(→良い。でも糖分の摂取が多すぎないようにして下さい)

■谷口英喜 先生(済生会横浜市東部病院)
 
<略歴>
1991年 福島県立医科大学医学部卒業、横浜市大麻酔科入局
2011年 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授
2016年 より現職 東京医療保健大学大学院客員教授/神奈川県立保健福祉大学大学院看護領域臨床教授/慶應義塾大学麻酔科学教室非常勤講師
<マスコミ>
脱水症・熱中症・周術期管理の専門家として、テレビ・ラジオなどを中心に多数出演
<著書>
「いのちを守る水分補給」(評言社)、「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本(同)、経口補水療法ハンドブック(同)、他 多数
<資格>
日本麻酔学会専門医 日本集中治療医学会専門医 日本救急医学会専門医 日本静脈経腸栄養学会指導医 日本外科代謝栄養学会教育指導医

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販売価格  ¥5,500(税込)

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日本メディカルスキルアップは対面形式のセミナー(会場受講)を重視し、2009年4月より計800回以上医療技術セミナーを開催してまいりました。製薬企業とは無縁の独立系セミナーで、臨床現場、専門領域の第一線で活躍する講師の質と圧倒的な学習時間で医療業界に貢献してまいります。その他の他、さまざまなジャンルのセミナーを開催しております。